突然ですが、「アニメ・漫画の実写化」と聞いて連想することは何でしょうか。「目も当てられない学芸会」「原作ファン激怒」「原作者も激怒」「映画が大爆死」等々、あまり良いイメージがわかないかもしれません。日本のアニメ漫画作品は登場人物が西洋的であったり、ファンタジーな部分が再現しづらかったりしてCGを駆使しても実写化に不向きと言われます。ところが、ここに実写化作品が大絶賛されているケースが少なくとも一つあるのをご存知でしょうか。
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その名も「美少女戦士セーラ-ムーン」です。原作はご存知、テレビアニメ化され国民的人気を誇る同名の少女漫画作品ですが、2003年から約一年間実写ドラマとしてTBS系列各局で放映されました。ストーリーは原作第一期をベースにしつつも、数人のキャラクターの性格が変わっていたり四天王と衛の関係が深く描かれており、オリジナルキャラクターの登場もあって原作ファンにとっても評価の高い作品となっています。
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実際にこの実写ドラマが放映されていた2003年のおもちゃ売り上げにおいてセーラ-ムーン関連商品が急上昇したり、大人向けコラボ企画商品が爆発的に売れるなど、業界内だけでない人気がうかがえます。ちなみに、キャストは全く異なりますが1994年からセーラ-ムーンのミュージカル公演が行われそちらも好評だったため、実写化に親和性のある作品だったのかもしれませんね。
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さて、この実写化セーラームーンは作品としての出来以上にキャストの豪華さが大きなポイントとなっていますのでメインキャストを一人ずつ見ていきましょう。まず、主演の月野うさぎ役、沢井美優さんはグラビアアイドルという出身ですが、この作品を機に映画やドラマに多数出演する女優へと変貌を遂げます。舞台やアニメ作品にも出演し、活躍の場を広げているようです。水野亜美役の浜千咲さんは、現在は泉里香という名前で活動しています。もともとは雑誌モデルとして仕事をしていましたが、この作品以降もテレビドラマに出演するなどやはりお仕事の幅を広げるきっかけとなっているようです。
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木野まこと役の安座間美優さんは沖縄県出身の、ファッションモデルとして活動していた方です。小中学時代にはあのSPEEDなどと同じ沖縄アクターズスクールに在籍し、ダンスやボーカルレッスンを受けています。この作品以降もバラエティやテレビドラマ出演などしていますが、本業のモデル業をおろそかにせず人気モデルとしてファンの支持を集めています。愛野美奈子役の小松彩夏さんは雑誌モデルであった高校生当時にこの作品に出演、岩手在住であったため撮影のために毎回新幹線で通っていたそうです。この作品以降はテレビドラマや舞台などで活躍、日テレジェニック2004に選ばれるなどしてDVDリリースなどの活動を見せています。
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最後は火野レイ役、北川景子さん。もうあまり紹介する必要もないほど有名な女優としての地位を確立した彼女ですが、駆け出しのころはこういった作品にも出演していました。通常は、売れっ子女優になると「アニメ系・コスプレ系」の仕事は恥ずかしいものとして「黒歴史」扱いにしてしまうもの。しかし北川景子さんはアニメ好きであることもあってか一切隠すことはせず、それどころか上記の四人のメインキャストと現在も定期的に誕生日会や「セーラー戦士会」を開き交流を持っています。北川景子さんの飾らない人間性と、さっぱりした性格がうかがわれるエピソードと言って良いでしょう。ちなみに敵役クインベリルとして杉本彩さんも出演しており、今から見返すとどこかで見ている豪華な顔ぶれが多いこのドラマ、未見だという方は是非一度鑑賞してみてはいかがでしょうか。