世界を震撼させた、1081年のパリ人肉事件。
その犯人とされた日本人小説家・佐川一政の真実についてまとめてみました。
■佐川一政・プロフィール
生年月日 1949年4月26日
年齢 68歳
出身地 兵庫県神戸市
経歴 聖ミカエル学園
神奈川県立鎌倉高等学校
和光大学人文学部文学科卒業
関西学院大学大学院修了
パリ第3大学大学院修了
職業 小説家・翻訳家
■パリ人肉事件とは
1981年6月、パリに留学していた日本人留学生(佐川一政)が友人のオランダ人女性留学生を自宅へ呼び出し射殺。
その後に屍姦し、遺体の一部を生のまま食べ、遺体を解体し、その一部を加熱して食べたという、聞くだけでもおぞましい猟奇的殺人事件です。
数日後、残った遺体をスーツケースに入れてブローニュの森の池に捨てようとしたところを目撃され、逃亡の末、逮捕されています。
被害に遭った女性のことを思うと、なんともいたたたまれない気持ちになりますね。
■佐川一政はカニバリスト!?
通常、人間が食す肉と言えば、牛や豚・鳥などをイメージしますが、人間の肉を食べようと思う心理とはいったいどういうものなのでしょうか。
そのような欲求を持つ人は一定数いると言われており、専門用語ではカニバリズムと言われています。
簡単に言えば共食いなのですが、動物の世界ならいざ知らず、高度な知能を持ち、お金さえ払えば食肉を手に入れることができる人間が共食いすることは、やはり人道的に許されることではないと言えるでしょう。
では、佐川一政はそのような欲求を持つカニバリストだったのでしょうか?
帰国後に病院で精神鑑定が行われましたが、結果は心神喪失状態との診断。
その後、不起訴処分となっています。point 356 | 1
■佐川一政の出自
佐川一政の一連の犯行を、「狂気だ」「異常だ」と非難する人が多かった一方で、彼の幼少期を紐解くことで、このような犯行に至るまでの経緯を探ろうとする動きもありました。
佐川一政は父親の手のひらにのるほどの未熟児で生まれ、1歳で腸炎を発症。
静脈注射で命を繋ぎながら、なんとか成長していきました。
虚弱体質な上に性格は内向的で、外国の文学や音楽などの芸術に興味を持ち、高校時代には短編小説を書くなど、小説家としての才能の片りんは幼いころから見られていたと言われています。
人肉を食べることに興味を持ったのは、小学生のころに何度も叔父から聞かされた人肉鍋の話からだと言われ、そのことで本人も悩み、精神科医に相談したものの、取り合ってもらえなかったという悲しい過去もありました。
パリ人肉事件の前にも、ドイツ人女性宅に無断に侵入するなどの奇行もあり、この件は父親の示談金の支払いによって始末されています。
もしも精神科医が親身に相談に乗り、適切な治療を施していたら、このような凄惨な事件には発展しなかったかもしれませんね。point 508 | 1
■帰国後の佐川一政
不起訴となった佐川一政はその後、どのように暮らしているのでしょうか。
一時期は生活保護を受けていたとも言われていますが、マスコミが有名人として扱ったことで、得意の小説を執筆するなど、至極普通の生活を送っていると言われています。
驚くべきは病院から退院した後、大喜利にゲスト出演したこともあり、会場内は一様に重苦しい雰囲気になったとか。
ですが、出演者の一人・落語家の川柳川柳だけは初対面の佐川一政に対して「よぉ!食道楽!」と肩を叩いて声をかけたとか。
好きな女性のタイプもたびたび公言しており、「沖縄の女性」「ちゅらさん」「矢田亜希子」「上戸彩」「滝沢美織」らの名前も挙げています。
過去にあれだけの事件を起こしておいて、一般人として堂々と生活する様子に、違和感を覚える人も多いでしょう。point 398 | 1
■まとめ
世の中の「怖い」とされる現象の多くは、現代の技術や研究でそのメカニズムが解明され、理屈がわかることで怖くなくなることも多々あります。
けれど、人の頭の中だけはまだ透かせて見ることができません。
もしも目の前にいる人間がカニバリズムの持ち主で自分が食べられることになったら……。
佐川一政はそんな現代のホラーとも言える事件を犯した…これは紛れもない事実と言うほかありません。