2012年には実写映画化もされ、性別関係なく幅広い世代の人々に愛されている漫画「るろうに剣心」。そんな「るろうに剣心」の最終回とはいったいどんな内容だったのか、アニメ版と原作の違いなどとともにご紹介します。
ジャンプ暗黒期を支えた「るろうに剣心」
「るろうに剣心」は、「人斬り抜刀斎」と恐れられた伝説の剣客・緋村剣心が、襲い来る刺客や強敵たちと死闘を繰り広げていく漫画作品。
1994年から1999年まで少年ジャンプで連載されました。この期間中は「幽☆遊☆白書」や「スラムダンク」、「ドラゴンボール」といった人気作品が立て続けに終了した「ジャンプ暗黒期」でもありました。そんななか看板作品となり、売り上げの落ちていたジャンプを支えた作品のひとつが「るろうに剣心」。アニメの放送開始とともに人気も急上昇し、当時の看板作品として多くの読者の心を掴みました。
原作漫画の最終回
「るろうに剣心」のストーリーは大きく分けて、東京編・京都編・人誅編の3部に分けられています。
人誅編で元妻の弟・雪代縁と最後の戦いを終えると、物語は数年後へ転換、最終回ではヒロインの薫と結婚し、父親となった剣心の姿が描かれます。自身の愛刀である逆刃刀も仲間の弥彦へと託し、これまでの自分の戦いに区切りを着けた剣心。最後のコマでは妻の薫に「お疲れ様」と言葉を掛けられ、親子三人笑顔のまま幕を閉じます。シリアスな展開や激しいバトルの多かった「るろうに剣心」でしたが、最後は連載初期のような穏やかで平和な雰囲気を取り戻しているのが印象的です。point 221 | 1
アニメ版の最終回
漫画連載とともにTVアニメ人気も高かった「るろうに剣心」でしたが、原作完結前にアニメが終了したということもあり、漫画とは最終回の内容が大きく異なっています。原作漫画の完結を待つ形で、京都編以降はアニメオリジナルストーリーが展開されるようになりましたが、原作ファンからの不評も多く、視聴率は低迷。最後は事実上打ち切りとなり、オリジナルストーリーの「風水編」完結とともに94話で放送終了となりました。中途半端な終わり方を避けるため、これまでの剣心たちの活躍などをまとめた95話も制作されていましたが、テレビで放映されることはなく、DVDなどへの収録のみとなっています。point 352 | 1
賛否両論の続編OVA「星霜編」
「るろうに剣心」はTVアニメ終了後も、「追憶編」や「星霜編」といった番外編がOVAでアニメ化されています。
このうち「星霜編」は、原作漫画の最終回の十数年後を描いたストーリーとなっており、時系列順ではこちらが本当の最後とも言えます。不治の病に侵され、記憶も身体もボロボロとなった剣心の姿が描かれるなど、原作漫画の最終回とは打って変わって、シリアスなドラマが展開される「星霜編」は、ファンのあいだでも賛否が分かれる作品となっています。原作者の和月伸宏が制作に関わっているわけではないため、あくまでひとつの「ifストーリー」として捉えられています。point 268 | 1
幻の最終回?「北海道編」
「るろうに剣心」の原作漫画は、東京編・京都編・人誅編の3部構成で完結しましたが、描かれなかった第4部「北海道編」が存在することが原作者である和月伸宏本人から語られています。
もともとはこの「北海道編」を含めた4部構成での連載が考えられていましたが、「人誅編」終了時に原作者自身が「これで剣心のドラマは終わった」と感じたことから、当時連載には至りませんでした。ファンのあいだでは「幻の最終回」とされ、このまま掲載されることはないと長年考えられてきましたが、2016年には作者本人による「北海道編」の連載開始が発表され、大きな話題を呼びました。
まとめ
連載開始から20年以上が経ったいまでも根強い人気を誇る「るろうに剣心」。新しく連載が始まった「北海道編」を機に、一度読み直してみてはいかがでしょうか。