6月14日、肺炎のため亡くなった、漫画「ルパン三世」の原作者モンキー・パンチさん(享年81)をしのぶ会が、東京・青山葬儀所で行われました。この日は、天気にも恵まれ、会場の入り口にはR-33ナンバーのフィアットを模したバルーンアートや、会場内にはモンキー・パンチさんが手がけたイラスト、また仕事風景やプライベートの写真が並んでいました。
しのぶ会には、アニメでルパンの声優を演じる栗田貫一さんをはじめ、映画「ルパン三世」でルパン役を演じた俳優・小栗旬さん(36)、同じく銭形刑事部を演じた浅野忠信さん(45)らゆかりのある人物が参列しています。
花祭壇は、ルパンのジャケットカラーをイメージした3000本の赤いバラで彩られていて、背景にはその“赤”を引き立たせるような夜景がセットされています。バラの中には、モンキーパンチさんを見守るかのように、ルパン、次元、不二子、五右衛門、銭形警部のパネルが配置されました。式典では黙祷と、モンキー・パンチさんの経歴紹介に続き、アニメでルパン三世役を演じる栗田貫一さんが弔辞を捧げました。
「ルパン三世という大役を山田康雄さんから引き継いだときは、さまざまな方面からご批判もありました。そんなとき、先生は『なんも心配しなくていいよ』『そのままでいいんですよ』とおっしゃってくださったことを思い出します。先生に守られてきたから、今日まで続けられてきたんだと思います」と感謝を述べています。
2014年に公開された映画「ルパン三世」でルパン役を演じた小栗旬さんは、「残念です。もっともっと歴史的なキャラクターと生きて欲しかったです」と声を落としながら記者の取材に答えました。
ルパン三世を演じる事になり、様々な葛藤があったと話す小栗さんは、「できればそこに手は出したくないと思いました」と苦笑しました。そんな時「ありがたいことに先生がやってみようかといってくださったので。今となってはできてよかったです」とモンキーパンチさんの言葉に救われたと振り返りました。また、「先生の言葉のおかげで乗り切れました。大変なキャラだし、みなさんのいろんな思いがありますから、原作のモンキー先生からの言葉は大きかったです」と語っています。
また、同作で銭形警部を演じた浅野忠信さんも、先生の言葉で乗り切れたと話しています。この日、銭形警部を意識した、ハット帽にコート姿で参列した浅野さんは「こういう格好で来てはいけないと思っていたんですが、先生に銭形警部をちょっとでも感じてもらえたらと思って」とモンキーパンチさんへの想いを語りました。また、撮影当時「僕は銭形警部だと思っていなかったので、ちょっと自信を持ちきれていない部分もありました。でも先生が『とてもいいよ』と言ってくれて。優しい笑顔とお言葉をいただけて、その後は自信をもって演じることができました」と振り返りました。
さらに緊張している浅野さんに「緊張して先生に会ったら、先生の方から『写真を一緒に撮ろうよ』って言ってくれたんですね。僕はそれがうれしくて」とモンキーパンチさんのあたたかさを感じたと話しました。「モンキー・パンチ先生を偲ぶ会」には、約400人の関係者が参列し、ルパン三世という作品だけでなく、モンキーパンチさんへの愛が溢れる会となりました。