関係先への一斉捜索で急展開を迎えたガーシーこと東谷義和参議院議員への捜査に対して、某社の警視庁担当記者は「こんな急に強制捜査が始まるとはまったく想定していなかった」と語ります。さて、現役国会議員の逮捕はあるのでしょうか。
「身柄までは取らないだろう。書類送検が関の山」というのが、これまでの「ガーシー捜査」の見立てでした。東谷義和参議院議員は、アラブ首長国連邦のドバイに滞在し、昨年7月の当選後、国会に一度も登院せずにインターネット上で著名人の暴露活動を続けてきたガーシー氏。先月24日、警視庁がガーシー氏に任意の事情聴取を要請したことで捜査が始まったことは広く知られていました。
ガーシー氏は現職の国会議員のため、名誉毀損や脅迫程度の罪では逮捕まではいかないだろうという見方が大勢でした。
そんな気配を察してか、ガーシー氏は今月23日に召集される通常国会の開会に合わせて帰国すると明かしていました。国会会期中は不逮捕特権があるため 、逮捕されるリスクが低いためだと見られます。任意の事情聴取を済ませ、書類送検という「軽いお咎め」で終わらせてしまえば自由の身です。そんなガーシー氏の魂胆が透けて見えていたため、「これでは被害者は事実上の泣き寝入りではないか」といった声もありました。
しかし、突如行われた強制捜査がこれまで見立てを吹き飛ばしました。今月11日、警視庁は東京・杉並区のマンションなど、ガーシー氏の動画から入る広告収入を管理していた合同会社の複数の関係先へ捜索をしました。
今回、家宅捜索が行われた杉並区のマンションの一室が注目されています。ここはガーシー氏のYouTube動画の広告収入などを管理していた合同会社の前代表A氏の実家なのですが、年末に「別の事件」が発生していたのです。
その事件とは、先月29日に、空き巣に入られ、総額4億円相当の暗号資産や貴金属が盗まれ、窃盗事件として警視庁が捜査に入っていたところだったのです。
盗まれたのは《金とプラチナのインゴット(塊)、銀貨といった貴金属類が2億円相当、現金が日本円で2千万円、米ドル、タイバーツなどの外貨500万円分、ビットコインなど複数の銘柄の暗号資産約2億円相当(時価)が入った「レジャーナノ」と呼ばれる暗号資産保管用のUSB端末、ロレックスやウブロといった高級腕時計8個(計1600万円相当)》だといいます。
一方で、この空き巣事件を「Aのでっち上げ」と訴える動きもSNS上で出ています。今月13日、一時期ドバイに滞在し、ガーシー氏周辺のビジネスに加わっていたという女性が、都内で記者会見を開きました。
女性は「ガーシー関連ビジネスを仕切っているのはB。ガーシーはBを信奉し、言われるがままに動いている。動画収入の大半はBら周囲が吸い上げてしまっているため、ガーシーにはお金はあまり入っていない。私はSNSでこうした告発を続けているため、反〇会的勢力から命も狙われている」と説明していました。
警視庁は、この一連のトラブルを把握したうえで、様々な方面から捜査を進めているようです。
3月に必ず帰国すると公言しているガーシー氏ですが、もし逮捕リスクを恐れて警戒を強めれば、帰国しない可能性もあります。その場合、逮捕状が発行されたり、旅券の返納命令が出て、ICPO(国際刑事警察機構=インターポール)を巻き込む展開もありえます。
著作権者VONVON /無断コピー、無断転載および再配布禁止(違反時の法的措置)