stap細胞というのは刺激を与えることで、何にでも変化できる細胞の事です。正式名称は刺激惹起性多能性獲得細胞というものです。刺激によってさまざまなモノに変わることが出来るわけですから、これが医療などの分野で画期的な活躍をすることになることも期待されたわけです。
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ips細胞と比較されることも多いのですが、ips細胞は人工的な細工をする必要があるのに対してstap細胞は刺激を与えるだけで、全ての体の細胞に変異できるとされています。ips細胞は変異できないものがあるので、stap細胞のips細胞を凌駕する可能性があります。作成にかかる時間もips細胞よりも短期間で作成できるので、これは画期的なものだと考えられたのです。
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stap細胞は小保方氏のの論文について問題があったことや、その後の実証実験でもその存在を実証できなかったことで、全く無かったかのようになっていますが、別にその可能性の全てが否定されるものではありません。論文自体は確かに問題があったことは事実でしょうが、これから研究が進んでいけば、今のips細胞以上の画期的なものとなる可能性は十分にあります。
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今ではstap細胞など無かったかのように思っている人も多いのですが、これが人の感情の良くないところです。別に論文に問題があったことは事実としても、stap細胞と論文とは関係がないことですから、stap細胞の可能性まで否定する必要はありません。これまでになかったものを見つけようとしているわけですから、当然未知の世界ではさまざまな問題があるのは当たり前です。マスコミによって興味本位で報道されることによってstap細胞そのものが否定されるようなことにまでなっていることがもったいないといってもいいでしょう。
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もともとstap細胞の論文がこれだけ脚光を浴びたこと自体が異常なことでした。有名な科学雑誌に掲載されたことは凄いことに間違いはありませんが、もし別の人が同じような内容を掲載してもこれほどの騒ぎにはならなかったでしょう。そして、脚光を浴びた論文が虚偽だと分かるとあっという間に手のひら返しで突き落とすということをするのがマスコミの世界です。必要以上に騒ぐのがマスコミの良くないところといってもいいでしょう。
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論文に虚偽があることとstap細胞の可能性が無くなることとは全くの別問題ですから、これは分けて考えるべきことなのですが、そんなことはお構いなしです。そのため折角の可能性が無くなってしまったかもしれないのです。