みなさんは”マタニティマーク”の意味をご存知でしょうか?
“マタニティマーク”とは、妊産婦が交通機関等を利用する際に身につけ、
周囲が妊産婦への配慮を示しやすくするもので、
「妊産婦に優しい環境づくりを推進するもの」がマタニティマークの本来の象徴となっています。
マタニティマークといえば、女性が妊娠中であることを周囲に伝えるツールとして定着していますが、
このマークを逆に「妊婦さんの力になりますよ」というメッセージを発信するために使う試みが注目を集めています。
マタニティマークの逆バージョンを制作したのは、椎野祐輔さん。
奥さまが妊娠中に経験したある出来事をきっかけにアイデアが浮かんだといいます。
2019年12月に長男が生まれた椎野さんは、
長男が生まれる1か月ほど前、妊娠中の奥さまと乗っていた電車で、優先席にいた高齢の女性が気づいて席を譲ってくれたのだそうです。
椎野さんは高齢女性から席を譲ってもらい申し訳なさを感じると同時に、
初めて「譲られる側」に身を置いたことで世界の見え方が変わったといいます。
そこで誕生したのが「席ゆずりますマーク」というマーク。
電車やバスのなかで妊婦に席をゆずるための新しいマークが椎野さんのアイディアによって誕生したのです。
妊婦さんが妊娠中であることを周囲に伝える「マタニティマーク」と同じイラストを使っているのですが、つけるのは妊婦ではありません。
妊婦に席をゆずってもいいという人が出歩く際、カバンなどにつけて使うそうです。
まさに妊婦さんがつけるマタニティマークの「逆」といえますね!
わざわざマークにしなくても「席どうぞ」とひとこと言えばすむようにも思えますが、
言いだすのにタイミングが悪かったりとか、勇気がそこまで出なかったり、
正直、妊婦の女性に声をかけにくい…というのもありますよね。
「席ゆずりますマーク」が誕生したのは、そんな思いからだと椎野さんは語ります。
マタニティマークに「席ゆずります」「声かけてください」と言葉を添えたタグ型のアイテムをデザインし、すぐに発注。
40個が完成すると、当初は身近な人に配るだけのつもりだったといいますが、
手に入れた人が「知り合いが作った逆バージョン!!ステキ!」と写真をTwitterに投稿したことで、一気に注目が集まったといいます。
Twitterなどこの情報が拡散されることとなり、
「めっちゃ良いの見つけた!」「これホントもっと広まってほしい」「衝動買いしました!」といったコメントが続出!!
さらには、「こういう事しないと譲ってもらえないのも悲しいけど、それをただ嘆いても何も解決しないからね!」という声も投稿されるなど、大きな反響を呼んでいるようです。
椎野さんは「多くの人がこの問題をあらためて意識することにつながり、良かったと感じています。もちろんこんなマークがなくても席を譲り合えるのがベストだとは思いますが、現実は普通のマタニティマークをつけていても席を譲ってもらえず、大変な思いをしている妊婦さんも少なくありません。この『譲りますマーク』の考え方が広まることで、少しでも妊婦さんたちの安心につながればと願っています」と話していました。point 203 | 1
椎野さんは、このマークに妊婦以外の障害者の方などにもやさしい社会をつくりたいという思いを込めているということです。
座席や手助けを必要としている人たちが救われるマークに発展していくといいですね。
値段は実費相当分の1個380円と送料120円ということですが、
現在は入荷待ちの状態になっているそうです。
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