「100%の回復や復活を望むのではなく、1%でも可能性があることに期待をかけるということ」と話したのは、死亡した80代の母を冷凍保存した韓国国内の冷凍人間第1号申請者Kさん。
過去、「今はまだ解凍技術がないが、ひとまずこのように保存しておいて、未来の医術を期待して待つ」とし、Kさんは このように伝えたのでした。
「(母は)救急車に乗って行ったが、救急車が大きく揺れるほどもがいた…」と当時を振り返ったKさん。
続けて、「『私はまだ逝きたくないのになぜお前たちの父さんは私を呼ぶのか』と言ったが、私は母と長く共に暮らしながらそのような姿を初めて見た」とし「生きようという意志がこれほど強いのかと思った」と話しました。
そのような母の生に対する意志を感じ、父の死から6カ月後に 母まで亡くすのがつらかったKさんは 冷凍保存を決めたといいます。
Kさんは、「弟は『自分は反対』と言った。私が思うに費用のためにそう話したようだが、『父の葬儀を経験したが、あれは違う』『(母を)火葬するのは私が耐えられない』と言って強行した」と伝えました。
死亡直後、Kさんの母は1次冷凍処理された後、冷凍保存用タンクがあるロシア・モスクワに移されました。母の冷凍保存契約期間は100年。医療技術の発展速度と冷凍保存患者の再生の可能性などが考慮された期間だとのこと。
その保存期間内に、解凍技術と血液がん治療法まで開発されることを祈っているというKさん。
現地から送られてきた映像で母の遺体が保存された冷凍タンクを確認すること以外に 今はできることはないのですが、Kさんは 自分の選択を後悔していないと言います。
「いま母はモスクワにいるが、私が行っても解決策があるわけではない」とし「ここで 心から祈っている」と話しました。
また、「これほど早く逝くとは思っていなかった。私は心の準備が全くできていなかったので、天が崩れ落ちるようだった。親不孝だったので、なおさらそうだった」とし「私は崩れ落ちる天を支えてはいる。個人的にはそういうことだ」と語っていました。
そして、「私は 心の中で母にこう言った。『現代医学の恩恵はここまでだ。誰かが良い技術を作っておいたので、それを一度やってみよう…』」と Kさんは伝えました。
「お母さんにまた会えたら 何の話をしたいのか」という質問に対し、Kさんは「よく眠れたかと 声をかけたい」と答えながら 涙を流しました。続けて、「(母が)亡くなったとは思っていない」とし「また会うことができると考えている」と話しました。
「母は同意したのか」⁉ ネット市民らの気になる視線… 最も深刻な問題「脳損傷」⁉
このような 冷凍保存に関連した家族の心境に共感する人達もいる 一方で、自然の妥当性に反する行為と否定的な反応を見せるネット市民らの意見が 飛び交っているようです。
一部のネット市民らは Kさんの行動を非難し、死を受け入れるべきだと忠告したというのですが…。
「誰が そんな 勝手に…」
「お母さんは 同意したのか?」
「お母さんを 勝手に凍らせたのか?」
「お母さんには 凍らせると知らせていたのか?」
などのコメントに Kさんは衝撃を受けたと伝えています。
この日の放送で、 「ガラス化技術は卵子や単細胞など組織が非常に小さい時に使う。数十億個、数兆個の細胞がある体をどうガラス化するのか」と反問したのは 冷凍保全の可能性に懐疑的な立場の専門家。
また、最も深刻な問題は脳損傷だと強調しました。
「冷凍保存技術は脳のシナプス連結を保存するということを示していない。神経連結の部分で多くの収縮が起きたが、損傷したとみられる」とし「それで私は公開的に冷凍保存会員資格を撤回した」と 説明したのは ケネス・ヘイワース脳保存財団(BFF)共同設立者。
また 今回の放送で、法医学者の専門からは…
「死ぬことがなく永遠に生きるのなら、お互い温かい言葉をかける必要もなく、すぐに出勤する必要もなく、愛する必要もない。千年後、万年後にしてもかまわないため」とし、「トルストイの人生論で私たちが永遠になれるのは、私たちは死去するが、残った人たちが自分に対して持つ温かい記憶と愛情のため」と述べました。
さらに、「私たちが持つ人間性が他の人に施され、その人の記憶と存在が永遠に刻印されるというのが、永遠の生ではないのか」と語っています。
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