逃走中は2004年に深夜番組として始まり、シリーズ累計で60回以上も続く人気番組です。
番組の基本的なルールは有名人たちによる鬼ごっこです。鬼から逃げた時間に応じて賞金を獲得できるというシンプルな設定だが、老若男女の支持を得ているのにはワケがあります。「真剣な鬼ごっこなので誰が最後まで生き残るかわからないスリル感に加えて、追われる側を徹底的に撮影することでタレントの素顔に迫る様子が面白いですね。また、参加者が“自首”することでその時点での賞金を獲得して自分だけ助かるといった駆け引きがあるのも番組を盛り上げています」と制作会社関係者は話しました。
もう1つ、視聴者を引き付けている演出が、タレントたちを全速力で追いかける“ハンター”の存在でしょう。「黒スーツにサングラスという、まるでSPのような出で立ち。全力疾走中も常に無表情を保ちながら、参加者を追い回していきます。ゲームが進行するごとに数が増えていくので、終盤は挑戦者よりもハンターの数のほうが多くなるなんてことも。しかし、彼らの情報はほとんど表に出てきませんね」と続けて語りました。
謎多きハンターだが、過去にハンターを経験したことがあるという男性・Aさんによると「ハンターの第1条件は、身長180センチ以上ということなので、モデルによく声がかかりますね。必ずしも陸上競技の経験者でないといけないわけではないんですよ。採用オーディション時は面接や短距離走のテスト、挙動テストなどを行います」と明かしました。
挙動テストについて、「番組内でハンターは“アンドロイド”という設定ですからね。急にピタッと止まるなど機械のような動きができるか、無表情を保てるか、そういったことが問われるんです」と話しました。
仕事は想像以上に過酷のようで、「走り回って息が上がっても、捕まえた参加者が面白いリアクションをしても、表情を変えてはダメ。最近はコロナ禍でマスクを着けなければならないため、かなり息苦しいんです。タレントさんを捕まえるときも “必ず両肩をタッチする”というルールがあったりと、ハ〇スメントの観点からも危機管理が徹底されています。女性の場合は、触れる場所を間違えてしまうと大問題になりかねませんからね」と明かしました。
事前に1日通してのシュミレーションを行い、本番前日にもきっちりとリハーサル。当日は早朝から撮影が始まるといいます。「ゲームが始まると、本当に筋書きなしの真剣勝負なので、ハンター同士も連携しながら挑戦者たちを追い詰めるなど、チームプレーが大事だったりします。逃げる側はそれぞれ、本人以外にカメラマンとディレクターの3人で行動しているので、ハンターから見つからないようにするのが大変だと思いますよ」と語りました。
また、ハンター内で語り継がれる強敵もいたようで、番組に長年携わる制作会社関係者によると、「アスリートの方たちは日ごろから鍛えていますから手強く、’19年のラグビーワールドカップ日本代表だった福岡堅樹さんや稲垣啓太さんが出た回は、ハンター全員が2人を警戒していました」
今注目の“あの人”も、スタッフたちの記憶に強く刻まれています。
「日本ハムファイターズの監督に就任した新庄剛士さんが逃げ切って優勝した回があったのですが、終了後、新庄さんは喜びのあまりハンターを延々と挑発していたそうなんですよ。ハンターは設定上、ゲームが終わったらそこから動けないというルールなので、目の前でずっと煽られていたみたい(笑)」と制作会社の関係者は明かしました。
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