飲食企業は「しんどい」「給料が低い」「労働時間が長い」などマイナスなイメージが多いのが現実です。人手不足、それに伴う長時間労働や体力・心理的な負担を理由に「外食産業」と聞くとブラックなイメージを持つ人は少なくないでしょう。しかし、最近大手飲食企業がそのイメージを覆そうと色んな事に取り組んでいるのです。
はなまるうどん
大手うどんチェーン店のはなまるうどんは、週休2日制で、年間休日日数は8日間のリフレッシュ休暇なども合わせて120日あります。飲食店ではシフト次第で直前にならないと休日が確定しないことが多いなか、社員が自分で休日を選べる仕組みも構築しているようです。社員はアルバイトスタッフに遠慮して「この日は人手が足りないから入ってほしい」と言い出しにくく、自分の休みを返上することで穴埋めしてしまうという背景がありますが、はなまるうどんは「社員は8日間は休むようにアルバイトスタッフの協力を促し、それでも人手が足りなければ「店を閉めてもいい」とも言っているそうです。point 340 | 1
串カツ田中
飲食店の労働時間が今よりもないがしろにされていた時代にすでに週休2日制を実施していた串カツ田中。「離職率が高い」「待遇が悪い」という飲食業界の常識を覆します。
串カツ田中は以前、入社後1年内離職率を約30%から、1年で20%にまで下げる目標を掲げました。関東圏を中心に串カツチェーンを経営する串カツ田中は2018年度から、福利厚生の向上と教育体制の確立に取り組んでいます。具体的には、店舗社員の休暇日数を3日増やすほか、通常のボーナスに加え、四半期ごとに3万~6万円のボーナスを支給するそうです。この、最低でも年12万円の支給が保証されるのは、外食業界では異例の試みなのです。さらに休暇は、2018年度以降2021年度まで毎年3日ずつ増え、2021年には年間休日が「120日」になる予定だそうです。夏休み・冬休みの日数は2018年は3日間だったのが、2021年には12日間に増加するとのことです。point 377 | 1
串カツ田中の評価基準は、売上とか利益みたいな数字ではないそうです。「一緒に働いているスタッフが辞めない」とか、不満を抱えたままにしないとか、とにかく従業員満足度が一番大事という企業なんだそうです。
ワタミ
従業員から過労自○者を出したり、内部告発者を懲戒解雇したことが明らかになったりするなどで「ブラック企業」のレッテルを貼られ、同社は客離れに苦しんでいたワタミ。
しかしワタミでは、離職率の高さなどから2013年7月に外部有識者による「業務改革検討委員会」を設置しました。そのため、2015年は21.point 209 |
6%だった離職率が、15.point 13 | 8%(2016年)、8.point 25 | 7%(2017年)と年々減少しています。労務改善策を実施したことから、2018年3月期の平均残業時間は前期から12%減り、平均公休日数は増えたといいます。社員の労働時間の管理、相談窓口の設置、会社・上司への評価制度、営業時間の短縮などを打ち出し、職場環境の改善に取り組んでいます。point 165 | 1
飲食業界のこれから
以上の三社は飲食業界でも大手ですが、これ以外にも様々な企業があります。企業が人を選ぶのではなく、人が企業を選ぶようになってきた現代なので、他の飲食企業も運営の見直しが必要な気がします。
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