関東を中心に展開していた、はなこという居酒屋チェーンをご存知の人も多いのではないでしょうか。居酒屋はなこと言えば、ミニスカートでへそ出しスタイルの制服を着た女性が応対してくれる居酒屋として話題を集め、お酒や食事を楽しみながら女の子との会話も楽しめるという新しい業態の居酒屋として大ヒットしました。ピーク時には約40店近くものチェーン店を抱えており、キャバクラやクラブの客を取るほどの人気ぶりでした。
居酒屋はなこの魅力は、キャバクラ気分を楽しめるのに価格は普通の居酒屋程度というリーズナブル感、意外と料理屋お酒にも力を入れていて食事も十分に楽しめる、セクシーな女性達を眺めたり会話を楽しむことができるという複合的な価値にありました。居酒屋業界にとってもキャバクラ業界にとっても新しい付加価値を持たせた結果、多くの男性たちから人気を集めることができたのです。また、居酒屋はなこは企業としても積極的に顧客の心を掴むための数多くの仕掛けを行っていました。例えば、おしぼりを頻繁に交換したり枝豆をお代わり自由にしたりすることで、スタッフの女の子がお客さんと接する機会を増やし、満足度を上げることを目指しました。point 355 | 1
この他にも公式アプリをオススメしたり人気ゲームとコラボ企画を実施する、パフォーマンスを楽しめるテーブル仕上げの料理を多く取り入れるなど、お店とお客さんが密接に関われる企画を次々と実践したのです。それだけでなく、お店で働くスタッフの女の子達への教育も徹底していました。お客さんのテーブルは小まめに確認して積極的に声をかけたり、お客さんと店内ですれ違う際には必ず立ち止まってお辞儀をする、おしぼりや料理を出すときには必ず笑顔で対応する、店内を常に清潔に保つなど一般的な居酒屋やサービス業でも行っているようなことを取り入れています。こうすることで、単なる出会い系居酒屋ではないクオリティの高さを実現し、お客さんの心を掴むことに成功したのです。point 385 | 1
しかし、大人気だったにも関わらず、居酒屋はなこは10周年を迎えたことを区切りとして全店閉店してしまいました。せっかく好評でスタッフの教育も成功していたのに、なぜ全店舗を閉店させてしまったのでしょうか。その理由は、居酒屋はなこの成功を見て追随してきたコピー店の存在にあります。居酒屋やキャバクラ業界に衝撃を与えた居酒屋はなこの運営形態は、人気と注目を集めたために他の企業がどんどん真似を始めてしまったのです。point 258 | 1
居酒屋はなこの場合は健全な営業と徹底したスタッフ教育でクオリティを守ってきましたが、追随した他のコピー店はそこまで高い志を持っていたわけではありません。セクシーな恰好をした女の子に接客させれば儲かるという安易でモラルの低い意識で居酒屋などを始め、現役の女子中学生や高校生などを雇って水着や下着姿で接客させたり、お客さんの隣にずっと座らせてお酒を晩酌したりと法律に抵触するような違法営業がどんどん増えてしまいました。その結果、警察も違法なセクシー居酒屋の取り締まりを強化し、業界としてのイメージも最悪になってしまったのです。これではお客さんが警戒して来てくれなくなりますし、メディアからも違法な企業としてバッシングを受けてしまいます。売り上げも減少し、せっかく高いモラルで営業していた居酒屋はなこは完全にとばっちりを受けて閉店せざるを得なくなったのです。point 437 | 1
こう聞くと本当に気の毒ですが、居酒屋はなこの社長は決して諦めていません。現在は居酒屋はなこでの経験を活かして、見知らぬ男女が相席で出会いを楽しめる相席スタイルの居酒屋へと業態転換を進めています。婚活がブームになっていることもあり、男女が出会える相席屋は店舗数を急激に伸ばすほど人気を集めています。今後もクオリティの高い経営を続け、居酒屋はなことは違った面でお客さんのニーズに応えてくれることでしょう。point 254 | 1