レアアースとは地球上の存在量が極めて少ない技術的な問題や経済的な問題で抽出困難な金属です。今後の技術革新と伴い工業用需要が予測されるものというのが定義です。レアメタルの内、スカンジウムとイットリゥムとランタン、セリウムとプラセオジムとネオジム、プロメチウムとサマリウムとユウロピウムとガドリニウム、テルビウムとジスプロシウムとホルミウム、エルビウムとシリウムとイッテルビウムとルテチウムの17種類がレアアースです。また、17種類に内のスカンジウムとイットリウム以外の15種類ををランタノイドという。
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また、希土類元素は科学的物質が似ているという特徴があります。スカンジウムと天然に存在しないプロメチウム以外の元素はゼノタイムやイオン吸着鉱等の同じ鉱石中に伴って産出するので単体で分離させることが難しいです。その為に希土類元素が含まった合金で利用することが多く取引時の価格が貴金属並みに高価となります。また、世界の埋蔵量が9900万トンに対し全世界で年間15万トン程使われています。
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レアアースの主な用途として超強力磁石のネオジム磁石やサマリウムコバルト磁石、プラセオジム磁石やガラス基板研磨剤、蛍光体のブラウン管や蛍光灯、水銀灯やCCFLやプラズマディスプレイやランタン、セリウムやメタルハライドランプ、LED等に使われています。また、書き換え可能な光学ディスク、光磁気ディスクの磁性層やプリンターの印字ヘッドや製油生成触媒の自動車用の排気ガス浄化触媒のセリウムやレーザー、原子力産業やライターの火打石の発火合金、光学ガラスの望遠鏡や顕微鏡、カメラやプリズムやランタン、ニッケル電池やニッケル水素充電池、スカンジウムアルミ合金等に多く使われています。
日本で多く使わている物として、液晶モニターの液晶を磨く際にレアアースを使った研磨剤を使用しています。他にもHDDやエアコン、冷蔵庫の心臓部のモーターにも使われています。携帯電話のバイブレーターの振動モーターやバッテリーにも使用されています。最近増えてきたハイブリットカーや電気自動車のモーターにもジスプロシウムというレアアースが使用されていますし、カメラレンズ等の先端産業に日本で年間約3万トンが使用されています。これは全世界の20%の使用量にあたります。
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また、レアアースは1980年まではアメリカが多く産出されたいましたが今は圧倒的に中国が多いです。中国に多い理由の一番は生産コストの安さです。産出に携わる人件費用が安いだけではなく、管理コストが安く済むという理由も挙げられる。また、レアアースには放射性物質のトリウムが含まれているためその扱いや後の処理に多額のコストがかかる為であるが、後の処理を他国程厳密に行わない為、低コストで生産できる。生産国では中国の次にフランスでベトナムでマレーシアとなります。
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また、2005年には1kgあたり5700円程だったのが5年後には4万5600円程にまで値上がりしているが2015年にはまた、1kgあたりの金額が10年前の金額程にまで下がっています。
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また、日本での使用料は2014年で年間23. 87トンでその内の34%が磁石で26%が触媒、17%が電池で10%が研磨剤、鉄鋼とガレス添加が4%で蛍光体が3%、セラミックスが2%でその他が1%となっています。また、南鳥島沖で300年以上の使用できる埋蔵量の高濃度レアアースが見つかりました。水深5700m前後の場所で海底の泥を採取した結果、海底10迄で中国で見つかっている濃度の約20から30倍の濃度ですので、今まで以上に多くの分野で使われることが期待されています。