以前、緊急事態宣言の中、東京・荻窪のあるラーメン店の女性店主が店頭に掲げたメッセージの内容がツイッターで紹介され、反響を呼んでいます!
コロナ禍の中で「もう限界かもしれません」と赤っぽい字で強調された手書きの貼り紙を店の入り口横に掲示しているラーメン店、看板メニューの旨辛ラーメンで知られる「旨辛麺 かつくに 荻窪店」。
貼り紙には「このままではお店も1カ月もちません。もう限界です。皆様、お客様どうかお助け下さい」「美味しく一生懸命作ります」とつづられています。
過去、ツイッター上でこの写真が投稿されると、店主への激励の言葉が続々書き込まれ、多くの反響が寄せられたそうです。
取材に応じた店主の山崎えつ子さん(35)は、今回の貼り紙を出した経緯について次のように説明しています。
「本当にお金も下りませんし、家賃と光熱費などが重くて店をやっていけず、昨日から営業を再開しても、このままでは閉めるしかない状況です。待っているだけでは潰れるだけですので、限界の中でやれるところだけはやろうと貼りました」
店の家賃は月15万円ですが、それ以外にも光熱費などのお金がかかります。2人で店を切り盛りしており、人件費を入れれば、月に最低80万円の売り上げがないと赤字に。
店は、初の緊急事態宣言が明けた後の、2020年6月2日にオープン。店名は「コロナに勝つ国」との願いを込められているそう。夜22時まで営業したかったのですが、時短の流れの中で20時閉店となり、客足も途絶え、夜はオープンして3か月で止めることに。
年末まで昼だけの営業を続けてきましたが、2回目の緊急事態宣言前から休業に。メニューの値下げにも踏み切って、3月16日に営業再開。しかし、3回目の宣言でゴールデンウィーク前からまた休業したそうです。
休業前は、ラーメンが1日10杯しか売れないことも多く、赤字が続いていたようで、家賃を支払わないと追い出されるため、店主は私物のブランドのバック、アクセサリー、時計などを次々に売り払ったそうです。
1、2月分の協力金をもらって、ギリギリで家賃を支払い、3、4月分の申請は行ったようですが、まだもらっていないとのこと。そして、2021年5月20日に営業再開した際、店頭に貼り紙を出すと、それを見て客が集まり、翌21日にツイッターで話題になると、さらに反響が。
「ツイッターで見た」との電話が店に3件ぐらいあったとし、三重県の人からは、「遠くてお店には行けないけど、頑張って下さい」との電話をうけ、励みになったいう店主。
反響の影響で今はバタバタしているそうですが、「ただ、JR荻窪駅前と言っても、買い物客ら人通りが少ないところです。味は自信がありますが、食べてもらえる機会が少ないので、この先どうなるかは分かりません」と語っています。
また、「コロナを抑えるために出歩くな、ということは分かります。しかし、それだけされても困ります。先が見えませんので、補償をしてから休めにしてもらえないのかと。五輪をやったらコロナが広がるかもしれないので、その実現に尽力するなら、もっと違うことにとも思っちゃいますね」などと、国や都などに望みを漏らしています。
このニュースを受け、ネットでは様々な声が寄せられていますが、中にはコロナ禍の影響だけではないのでは?と言った指摘の声もみられます!
「まずは五輪開催よりこんな人達の生活をなんとかする事が先では?無意味な緊急事態宣言をするならば、五輪中止を決めて少しでもこんな人達を助けるのが先決。大変だなと思うし、気の毒だなとも思うけど…。」「去年の6月なら世界的に感染症が流行っていたわけで、そんな時に飲食店をオープンさせるのは無茶だったのではと思う。」「20年6月オープンなら、常連客も少ないと思うので、余力あるうちに撤退して時期を見定めたほうが良いのでは?」「この手の書き込みが許されるのはその地で何十年も地元の人たちに愛されてきたお店くらいでは。先に諸々払い込んだ後でオープンするしかなかったとしてもそれはこの方の事情。小池氏の名前を出してコロナや政府に対して不満を持ってる世間の感情に訴えるのはちょっと違うなと思う。」
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