選手資格停止の鈴木選手
世界記録保持者である鈴木雄介選手(30)が、不正な申請を行ったとして、昨年10月から6か月間の選手資格停止処分を受けていたことが分かりました。
鈴木選手は富士通所属で、陸上・男子20キロ競歩の世界記録保持者です。
鈴木選手は2016年度の強化競技者の指定を受けました。
強化競技者とは、メダルや入賞が期待される選手が支援を受けられるものです。
鈴木選手は強化競技者として年間1000万円の受給資格を得ました。
そんな鈴木選手が2016年10月から2017年3月にかけて、治療費などを不正に申請していたことが分かったのです。
関係者によると、鈴木選手は千葉市内の選手寮から都内の治療院へ150回通った交通費と、治療費を請求しました。
しかし、実際には治療院に近い都内の親族の家から通院していたのです。
さらに治療回数も、治療を受けていなかった8回分の治療費を請求していたといいます。
日本陸上連盟から富士通に確認を要請し、富士通が再確認したところ、不正が発覚したといいます。
不正の発覚を受け、鈴木選手は申請を取り下げました。
そして、日本陸上連盟は2017年9月に資格審査委員会を開き、鈴木選手の6か月の資格停止処分を決めました。
鈴木選手の世界記録
鈴木選手は、2015年3月15日の全日本競歩能美大会の、陸上20km競歩で1時間16分36秒の世界新記録を出しました。
陸上競技の日本選手による世界記録は、2001年9月の女子マラソンの高橋尚子さん、男子では1965年マラソンの森松森雄さん以来となりました。
鈴木選手のプロフィール
そんな鈴木選手はいったい、どのような人物なのでしょうか?
鈴木 雄介(すずき ゆうすけ)
生年月日 1988年01月02日(29歳)
出身地 石川県能美市
身長 169㎝
体重 57kg
趣味 バスケ・サッカー
好きな食べ物 豚カツ
嫌いな食べ物 特になし
鈴木選手は石川県能美市出身で、小学生のころから陸上を始めます。
2つ年上のお兄さんが陸上クラブに入ったのをきっかけに、鈴木選手も小学校の陸上クラブに入りました。
そこで陸上の楽しさを知り、陸上が好きになったと本人は語っています。
そして中学校でも陸上部に所属し、陸上を続けます。
この時、新入部員だった鈴木さんは、強制的に競歩へ出場することになります。
中学2年生の時に競歩で県大会に出場したことをきかっけに、本格的に競歩を始めます。
その後、中学最高記録、高校では全国高校総体で優勝、大学では世界ジュニア選手権で銅メダルと次々に記録を残していったのでした。
そして富士通に入ってからは世界選手権8位入賞を果たします。
ロンドンオリンピックには日本代表として出場しますが36位という結果に終わりました。
2015年の全日本競歩能美大会では世界新記録を出したのでした。
競歩とは?
競歩という競技について説明します。
競歩とは、ご存知の通り歩く早さを競う陸上競技種目です。
ルールは、常にどちらかの足が地面に接していること、前脚は接地の瞬間から地面と垂直になるまで膝を伸ばすことt定められています。
競技中に3人の審判から歩形違反で警告を受けると失格になります。
オリンピック種目の競歩は、男子は20kmと50km女子は20kmがあります。
まとめ
鈴木選手は競歩を始めてから一度も、失格となったことがありませんでした。
競歩に失格はつきもので、トップレベルの選手でも失格の判定となることはよくあります。
しかし鈴木選手は、競歩を始めた当初から失格判定に一度もなっていません。
偶然始めた競歩で、才能を開花させたのです。
そんな日本の期待を背負っていた選手が、経費を不正に使用しようとしました。
期待と注目が集まっている選手だけに、残念なニュースとなってしまいました。