TBSは11日、8月14日に放送された『クレイジージャーニー・2時間スペシャル』と同日深夜のレギュラー枠で放送された爬虫類企画について、事前に準備した生物を、あたかもその場で発見したように撮影し、放送した“やらせ”があったことを公表し、謝罪しました。現時点で、爬虫類ハンター企画では過去10回の放送中、6回も同様の不適切演出が判明。今回の問題について調査が終了するまで同番組の放送を休止することも発表しました。
謝罪と休止
問題となったのは、爬虫類ハンターの加藤英明さんがメキシコに生息する珍しい生物を探し捕獲する旅に同行取材する企画です。放送では6種類の生物が紹介されたが、このうち4種類は、番組スタッフが現地の取材協力者に依頼し、ロケの前に準備していた生物を使って撮影していたそうです。
番組公式サイトでは「準備していたものを、あたかもその場で発見したかのように描いた今回の手法については、事実に依拠した番組で事実を歪めたことになり、あってはならないものと考えています」とし、視聴者をはじめ加藤さんや関係者に謝罪しました。
サイトでは事前に準備した4種類の生物と撮影時の状況も詳細に説明。さらに、爬虫類ハンター企画の過去10回の放送で捕獲した生物のうち、26種類は捜索中に実際に発見し捕獲しましたが、11種類は事前に準備していたものであったことも判明しています。なお、スタッフによると加藤さんに事前に準備していたことは伝えていなかったようです。
2015年4月スタートの同番組は、独自の視点やこだわりを持って世界&日本を巡る“クレイジージャーニー”たちが、その人だから話せる特異な体験を語る、伝聞型紀行バラエティーです。スタジオではMCのダウンタウン・松本人志さん、バナナマン・設楽統さん、女優の小池栄子さんの3人が話を聞くスタイル。今日11日には『日本最速パイロット!世界一の座へ!』を放送予定でした。
番組公式サイトには謝罪説明文が掲載され、9月18日発売予定だった『クレイジージャーニー VOL.
8』をはじめとする番組DVD紹介ページは、現在『指定されたページが見つかりません』と表示されています。そして、同番組については、先月29日発売の『週刊文春』が演出を担当するディレクターのパワハラ騒動を報じていたばかりでした。
TBSのやらせ問題
TBSは5日、先月11日放送の『消えた天才』においても、当時12歳の少年の野球の試合映像を放送した際、映像を早回しすることで、実際の投球よりもストレートの球速が速く見える“加工”を行っていたことを報告し、調査完了まで放送を休止することを発表していました。放送を心待ちにしていた視聴者はもちろん、出演者もこのような結果になり残念極まりないでしょう。テレビ局の信用問題にもなりかねないことを肝に命じてもらいたいです。