ここ何年か、ドラマや映画の原作者としてよく名前を見かける東村アキコ。本人もテレビ番組やCMに着物姿でちょくちょく出演しています。本業は漫画家とのことですが、いったい何者なのでしょう。
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東村アキコは、1975年生まれ、宮崎県出身の女性人気漫画家です。金沢美術工芸大学を卒業後、1999年にデビュー。2001年から初連載「きせかえユカちゃん」を開始します。主人公の美人小学生と、個性豊かな家族や友達、先生たちが登場するコメディで、少女漫画としては異彩を放つ内容で注目されました。
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その後、2006年から「モーニング」誌で、父親やデビュー前後の自分をモデルにした「ひまわりっ 〜健一レジェンド〜」を連載。奇抜な父親のキャラクターや、登場人物の異様なテンションが生み出す世界がファンから支持されました。
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東村アキコの最初のヒット作は、2007年開始の「ママはテンパリスト」です。一人息子「ごっちゃん」の子育てにまつわる苦心と笑いをつづった育児エッセイ漫画で、100万部を超えるベストセラーになりました。
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東村アキコはそれから次々とヒット作を生み出します。2008年開始の「海月姫」は、東京の古い下宿に暮らすオタク女性たちが、下宿の取り壊しを阻止するために、慣れないファッションの世界で奮闘するコメディです。テレビアニメになったほか、2015年には能年玲奈(当時)主演で実写映画化もされ、漫画ファンの間だけでなく広く話題になりました。
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2014年には、結婚相手を求めて右往左往するアラサー女性3人組を描いた「東京タラレバ娘」の連載を開始。多くの未婚女性に対して「早めに結婚しないとヤバい」という恐怖心を植え付けました。2015年には、自分の半生と絵の先生との思い出をノンフィクション的に描いた「かくかくしかじか」が、第8回マンガ大賞、第19回文化庁メディア芸術祭マンガ部門大賞など、多くの漫画賞を受賞します。
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その後、「東京タラレバ娘」もドラマ化され、東村アキコは人気漫画家としての地位を完全に築き上げたかに見えます。しかし、全てが順調というわけではないようです。2015年に開始された「ヒモザイル」は、お金もなくモテない男性を、バリバリ働いている女性と結婚させようという企画漫画でしたが、「専業主夫、ひいては専業主婦のことをヒモ扱いしている」などの意見が噴出して炎上し、休載に追い込まれました。point 266 | 1
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また、既婚者の立場から描いていた「東京タラレバ娘」の連載中には、自身の離婚話が持ち上がります。連載開始時のキレが失われたという印象を多くの読者に与えたまま2017年に連載は終了。単行本のラスト2巻は、掲載話数の少なさもあって残念な読者レビューが多く書かれています。2017年には「東京タラレバ娘」のために連載をストップしていた「海月姫」が再開されましたが、これも同年秋に連載を終了しました。
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現在は別の漫画を連載中ですが、まだ「海月姫」「東京タラレバ娘」ほどのヒットには至っていません。東村アキコは芸能のプロダクションも運営しており、もしかすると今後は漫画より芸能の方面に力を注いでいくのでは、という憶測もされています。