宴会芸といえば、忘年会などで新入社員がやらされ、その年の流行のお笑い芸人のネタをやり、場を盛り上げるようなものが印象的です。また、歌がうまい人であれば、熱唱をして盛り上げたり、お酒が大好きな人であればどんどんお酒を飲むことで盛り上げていくこともできるなど、宴会芸は単純に仮装をするということではなく、その場を盛り上げ、楽しくさせることが大事になります。そのため、恥をかくのを嫌がり、自分は歌いたくないとか、あんな扮装はできないなどと敬遠をしてはいけないとされ、要するに、その会社に馴染んでいるかどうかを示す、リトマス試験紙のようなものでもあります。
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特に宴会芸では下ネタ、裸がつきものです。この傾向は昔からあり、むしろ昔の方が過激だったというのが真実です。たいてい誰かは全裸になり、それで芸をしていくのが一般的となっていました。その中には女性もいましたが、嫌がる人もいれば、そんなもんだとばかりに楽しくお酒を飲んでいる人もいるなど、時代がなせる業といったところです。当然、今も下ネタ、裸というのは一定の評価を勝ち取ることはできますが、近年、セクハラ、パワハラの問題がかなり厳しく取りざたされており、今後こうした動きは下火になっていく可能性が高く、考え直す必要があります。
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そうした背景もあり、お笑い芸人のモノマネをして登場するのが人気となっています。理由は簡単で、わざわざ説明をしなくても誰もが見れば理解をしてくれるというのが一番です。マニアックなモノマネをしたところで、これは誰なのかと上司が周りに尋ね、説明をされても俺は知らないとばかりに不機嫌になられたら大変です。宴会芸が厄介なのは、そこでの失敗と仕事での失敗を一緒にされ、だからお前は仕事でもうまくいかないんだなどの小言を言われてしまいます。失敗ができないということになると、多少の恥を忍んででもお笑い芸人のモノマネをしていくことになります。
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宴会芸の歴史を紐解くと、元々芸達者な人が手品などのかくし芸を行い、それで盛り上がるのが一般的でしたが、このかくし芸はどこでも通用するものです。宴会芸はその宴会でしか成立しない芸という概念が存在します。なので、この場で笑いをとれることをしてしまえば、宴会芸はマスターしたも同然です。以前は座布団を指で回す座布団回しが宴会芸の定番とされていましたが、近年こうしたことを行う人はほとんどおらず、そもそも定番であったことすら知らない人が多くいます。何をやるか困っている人は、そのヒントが社内に転がっていることを知るべきです。
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その場で成立する笑いということになると、上司の趣味嗜好に合わせたものをやる、もしくは場の空気を取り仕切る人が気に入るものをやるということになります。1人が笑っていても、場を仕切る人が笑いもしなければ話になりません。場を仕切る人がどういう宴会芸を求めているのか、それを普段の仕事での会話から知っていく必要があります。お笑い芸人が好きであれば旬な芸人をやるというのも大事であり、体育会系であれば、覚悟を決めて身体を張ったものをやるというのも必要です。結局、誰を喜ばせなければならないのかを知ることが宴会芸の成功率を左右します。
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忘年会で宴会芸が求められるところは、チームワークで仕事をしているようなチームに多く、いわば団結や忠誠心、会社への愛などを見せるために行われることがほとんどです。また、公務員などお堅い職場の忘年会では羽目を外しやすく、とんでもない宴会芸が見ることが出来る場合があります。もちろん、セクハラやパワハラの関係で単に飲み会だけにとどめるところも増えており、時代の流れに合わせて宴会芸のあり方も変わりつつあります。