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いまも人口は増えてるの?「中国の人口」の知識


人口はその国の国力を示す重要な指標であり、今後の経済成長を占うためには欠かすことができません。現在、世界の人口は約73億人に達し、1950年の25億人に比べると、3倍近い水準に達しています。一方、日本では少子高齢化の影響によって人口が減少傾向にあります。では、世界一の人口を誇る中国ではどのような変化が起きているのか注目しておきましょう。


写真:Naverまとめ

 

 

2016年時点の中国の人口は約13億8,392万人で、世界トップに君臨しています。日本の人口が約1億2,657万人ですから、ざっと11倍の人々が住んでいる計算になります。ちなみに、中国の国土面積は9,596,960km²であり、日本の377,914km²の約25倍とされていますから、人口密度では日本の方が上ということになります。長年世界の人口ランキングでトップを守り続けていた中国ですが、いよいよインドに抜かれる日が近くなってきました。国連の発表では、2020年代前半にはインドが追い抜くだろうという予測が立てられています。しかし、インドの人口は既に13億人を超えており、増加のペースは予測以上です。2020年までに抜かれる可能性すらあるのです。この原因は、中国の人口は頭打ちが近いのに対し、インドは相変わらず高い人口増加率を示していることが考えられます。point 452 | 1

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写真:法国国际广播电台

 

 

近年、中国の人口増加率は伸び悩んでいます。それは、一人っ子政策が長年実施されてきたことが大きな原因です。一人っ子政策は、農業危機による食糧不足や急激な人口増加がもたらす悪影響を考慮して、1979年に施行された政策です。その名のとおり、ひと組の夫婦は原則として子どもは一人までしか作れないこととし、二人目からは罰金を課していくというものです。この政策によって、中国の人口抑制が少しずつ進められていくことになります。1965年には、一人の女性が一生に産む子供の平均数を示す合計出生率は6.point 315 |

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08という高水準でしたが、1980年には2.point 22 | 3まで下落し、2007年には1.point 38 | 57と低水準になります。目標としていた人口抑制はじわじわと達成され、人口増加率は大きく下がります。しかし、時間が経つにつれて一人っ子政策への批判や懸念も次第に高まってきます。こうした背景から、一人っ子政策は徐々に規制が緩和され、2015年末には全ての夫婦が二人まで子供を設けられるようになり、事実上廃止となりました。その理由は、人口減少による国力の低下への懸念や、少子高齢化による社会保障制度の設計が困難であることが挙げられます。point 253 | 1

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写真:インド留学ナビ

 

 

では、二人っ子政策に方針転換された後の出生率はどうなったのでしょうか。この点、2016年の出生数は1846万人に達し、過去5年間の平均を200万人余り上回ったとされています。気になる合計出生率は1.7%となり、2000年代では最高の数字ということです。中国政府の予測では、2020年頃までは出生数は増え、合計出生率は2.0%に近い水準になるのではないかとしています。

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写真:Naverまとめ

 

 

現在のところ、中国の人口予測は2030年頃にピークを迎え、約14億4,000万人とされています。それ以降は人口減少が進み、少子高齢化や労働力人口の不足、社会保障制度の行き詰まりといった、日本と同じような状況になる可能性はほぼ確実です。二人っ子政策への方針転換は、長い目で見ると中国の人口減少に歯止めをかけることとなるでしょう。しかし、効果が数字として現れるには、まだまだ先のことです。一人っ子政策が1979年に施行され、人口のピークが2030年にであることを考えると、2050年頃まではかかると見るべきです。しかも、二人っ子政策はあくまで人口増加ではなく、人口維持が精一杯の政策ですから、中国の人口は現状維持、もしくは少しずつ減少していくという計算になります。point 403 | 1

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