Twitterのフォロワーは 21.
5万人に及び、過去のヤンキー姿を隠さない男気ツイートや、女装のまま発せられる低音ボイス動画はバズることも多々あるという。お人形のような可愛らしいビジュアルなのに、実は男性。しかも元ヤンキーという意外性で人気を集める 女装男子 “ひめにぃ様”(@1293Maron)。
「この美少女が元ヤンキー⁉」、「可愛すぎるのにイケボ(イケメンボイス)」、「頭が混乱する」と、ユーザーを戸惑わせつつ、魅了しているようです。
“ひめにぃ様”は なぜこのような発信を行っているのでしょうか…? 周囲の反応や自分を解放することの大切さ、セクシュアリティまでも語ってくれました。
元ヤンキーが 女装に目覚め… 『男らしく…』と育てられたせい?
―現在のビジュアルからは想像できないですが、元ヤンキーだそうですね?
【ひめにぃ様】 (以下省略)
「はい。中学・高校時代はヤンキーでしたね(笑)。あるとき、空手黒帯の同級生にケンカで勝ったら、学校の頭みたいになっちゃって。それがヤンキーになった始まりです。本当は、幼い頃から乙女ちっくなものが好きだったんですが、母親から「男らしくしなさい」と育てられたせいか、変な方向に向いてしまったのかもしれません。」
―女装に目覚めたのは?
「 中学のとき、付き合っていた彼女に女装させられたのがきっかけ。もともと女装願望はあったんですが、母親の教えもあり、自分の中に閉じ込めていて。とはいえ、その頃はまだ家の中だけで女装していて、周囲に見せるようになったのは高校時代から。女装させるのが好きな女の子からウィッグやメイク道具をもらい、自分でやってみたらカワイイなって思ったんです。そこで完全に目覚めたんじゃないかな(笑) 」
―でも、ヤンキーが突然女装してきたら、周りは驚くでしょう?
「 仲間たちは、そりゃあビックリしていましたよ(笑)。中学時代は、まだ見せることに抵抗があったんですが、もともと自分の好きなことを隠すのが嫌いな性格なので。だから、高校に入ってすぐに仲間には打ち明けました。仲のいい友だちは、「意外とカワイイね」と言ってくれたんですが、そうでもない人たちからは「気持ち悪い」とか、いろいろ言われましたけどね(笑)」
味方できたSNSに感謝、『良い』と言うかは別問題?
―Twitterでアップした、ヤンキー姿と女装姿のギャップが人気ですが、最初に女装姿をアップしたのは?
「 16歳のとき(現在22歳)ですかね。「知ってほしい」という承認欲求もありましたし、「同じ趣味の人と繋がりたい」という気持ちもありました。最初は、どんな反応があるんだろう?と思いましたが、結構「カワイイ」という声がもらえて。ただ、そこから数年はSNSを止めていたんです。それで20歳のときに、今度は「自分の男の姿も一緒にアップしたら面白いんじゃないか」と思い、アップしたらすごくバズった。インフルエンサーとしてやっていこうと思ったのも、その頃でした 」
―SNSを始めたことで、何か変わったことは?
「 もしSNSをやっていなかったら、いまだ隠れて女装をしていたかもしれません。そういう意味では、自分をさらけ出すことで変われたし、救われたと思います。SNSがなかったら、僕に共感してくれる人や味方はいなかったんじゃないかな。「女装に偏見はない」と言う人でも、実際に目にしたときに「良い」と言ってくれるかどうかは 別問題ですから。幅広い人たちと繋がれた SNSには、本当に感謝しています」
―フォロワーもどんどん増えてますが、大変なこともありますか?
「 悩み事を相談されることも多いですが、自分自身そこまでの人間ではないし、全部には応えられないこともある。あと、僕にメイクをしてほしいという声もあるのですが、なかなか難しいですね(笑)。 でも僕、こんなんですが 意外にアンチの人がほとんどいないんですよ …」
―21万人以上もフォロワーがいて、こんなに目立っているのに?
「 たまーに1人か2人、絡んでくる人がいるくらいで。他のインフルエンサーは「アンチがいればいるほど、有名だという証」と言う人もいますが、実際にアンチコメントを見たらヘコみますからね(苦笑)。僕はそういう人の言葉は見ないようにしています 」
女装姿でもイケボ?ナンパされても「しゃべると逃げられる」(笑)
―SNSやメディアには他にも“女装男子”と言われる男性が登場しますが、多くは声も可愛らしく、女の子っぽくする人が多いが、ひめにぃ様は美少女姿なのに男性の声のまま。しかも“イケボ”というのが特徴的。
「 男の姿をアップするまでは、女性っぽい声を出したりしていたんですよ。女装って本来、自分の“理想の女性”に近づくように、可愛らしくするものだとは思います。でも僕は、別にカワイイ声である必要がないし、見た目とギャップがあるほうが反響があるんじゃないかと思いまして。だから今は、むしろ低い声をどうやれば出せるかということに努力をしています(笑) 」
―声を出さなければ完全にカワイイ女の子ですし、外ではナンパされることも?
「 結構ありますよ。あるんですけど、しゃべるとだいたい逃げられます(笑)。「それ、ゴスロリだよね?」って話しかけられて、「そうです」と答えると、何も言わず去っていく…みたいな(笑) 」
―昨年からはYouTubeも始めて、メイク動画なども公開してますね。
「 このメイクは今の彼女と付き合い始めてから、教えてもらいました。そこからどんどん勉強したので、今では俺のほうが上手になっちゃいましたけど(笑)。でも、メイク系のYouTuberにはなりたくないんです。俺にとってメイクは、自分のためにやっていること。誰かの評価目当てのメイクではないんです 」
感じる社会の変化「自分を開放できない人はかわいそう…」
―YouTubeではその彼女も紹介していて、これまでの話にも出てきましたが、女装はしていても、恋愛対象は女性ということですか?
「 恋愛対象は、今も昔も女性です。あくまで、女装が好きなだけの男ですから。彼女とは結婚を前提にして付き合っています。ただ、俺は「結婚式でウェディングドレスを着たい」と言っているんですけど、彼女からは「イヤだ」と反対されていて。二次会で着ようかなって企んでいます(笑) 」
―最近では、女装などのほか、セクシュアリティの多様性も認められる時代になってきました。実際、そう感じることは?
「 様々なことがオープンになってきたと、感じるようにはなりました。僕は普段、色々なセクシュアリティの人が集まるところで遊んでいるんですよ。そこでは、誰もが自分の好きなことを表に出せるし、素直になれる。逆に、普通のクラブとかだと、騒いで女性をナンパして…っていうのが目的になるじゃないですか。自分が素直になれるって、そういうのとは違うのかなと思うんです。僕は今の場所で楽しめているから、自分を開放できない普通の人はかわいそうだなって思うくらいです(笑)」
―自分の好きなことを表に出して楽しんでいる様ですが、なかなかそうもできない人もいます。
「 他人の顔色をうかがって、やりたいことをやれない人生なんてつまらない。好きなことはオープンにして、やりたいことをやったほうが人生はこんなに楽しくなるんだよと、伝えたいですね 」
声に関する仕事を受けたい… 女装して女性って大変だと実感
―そのビジュアルで言われると非常に説得力があります(笑)。今後の目標は?
「 自分では「日本一の女装男子」と名乗っていますが、コンテストなどでちゃんとした称号が欲しいですね。あとは、もしできるなら声優の仕事もやってみたくて。実は子どもの頃、声優か美容師になりたいと思っていて。ヤンキーを始めたので、その夢は捨てたんですけどね(笑)。もし今、声に関する仕事の依頼があったら、ぜひ受けたいです。そして今よりもっと視野を広げて、たくさんの道を切り開いていきたいですね 」
―ちなみに、女装姿はもちろんカワイイですが、素顔もイケメンですよね。男性の姿でもモテるのでは?
「 それが、モテたことってないんですよ。バレンタインのチョコももらったことがないですし…。まぁ、ヤンキーから直接、女装にいってしまったので、普通の男性の姿をしている期間がほとんどないんですけどね(笑)。普段ですか? 男性の姿のときは、どこに行くのでもスウェット。そういう意味でいうと、女装をしているときは 普段の1.
5倍ぐらい疲れるかな。やっぱり女性って大変だなって、実感しています(笑) 」
女装してみて 女性の大変さを実感したと言う ひめにぃ様。今後も SNSを通しての様々な挑戦に期待したいですね…。
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