期末改編期に入った3月25日、民放各局はそろって特番を放送しました。フジテレビは19時~22時48分まで、明石家さんま(64)さんの「ホンマでっか!?TV」の4時間スペシャルを持ってきました。ところが、視聴率はレギュラー放送よりも低い8・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区:以下同)でした。お笑い怪獣こと、明石家さんまさんの人気に陰りって、ホンマでっか!?
ちなみにこの日、明石家さんまさんの「ホンマでっか」より「水曜日のダウンタウン」のほうが低視聴率だったようですが、民放プロデューサーはこう言います。
「実は『水ダウ』の視聴率が低いのは、今に始まったことではありません。リアルタイムでは低いのですが、タイムシフト(録画)視聴率は高く、SNSでの話題性も高いんです。『ホンマでっか』は通常の放送なら10%前後を取っているにもかかわらず、特番にしてみたら逆に落ちた。“特番にすれば数字は上がる”のが定説ですから、これにはフジのスタッフもショックだったでしょう。」
そして25日は、前週(18日)にウラの「相棒」Season18の最終話が放送され、「ホンマでっか」は数字を伸ばすはずでした。
「さすがに4時間放送は、長すぎたと思います。“ホンマでっか”という切り口や、専門家集団の喋りやキャラが、持たなかったのだと思います。それと最近よく耳にするのが、さんま人気の陰りですね。今年1月26日(18:30~)に放送された『じもキャラGP~お笑い怪獣と異人さん~』(テレ朝/ABCテレビ)という2時間半の特番も、意外な数字でした。全国の地元で有名な素人を登場させ、さんまさんがトークで料理する企画でしたが、視聴率はわずか5・5%。ゴールデンではあってはならない数字です。」point 238 | 1
雑誌「日経エンタテインメント!」が毎年調査している「一番好きなお笑い芸人」ランキングで、明石家さんまさんは調査開始の02年から17年まで、14回連続(12年と13年は休止)でトップでした。サンドウィッチマンにトップを奪われ、2位に落ちたのは2年前のことです。
「昨年もさんまさんは2位でした。トップのサンドウィッチマンとの得票数には、2年前よりも開きが見られた。それよりも驚いたのは、『一番嫌いなお笑い芸人』ランキングで、2年前にトップだった石橋貴明(58:とんねるず)を抜いて、トップに躍り出たことです。しかも、嫌いの理由のトップは“ネタがつまらない”だったんです。」
喋り倒す明石家さんまさんの芸風は、昔も今も、まったく変わっていません。
「『ホンマでっか』に限らず、『踊る! さんま御殿!!』(日テレ)や『さんまのお笑い向上委員会』(フジ)にしても、彼の司会ぶりは今も天才的と言っていい。さんまさん1人で大勢の出演者をイジって笑いを取るスタイルは、なかなかできるものではありません。我々の間では、相変わらず面白いという声がほとんどです。それをつまらないとは……。そして、さんまさんの笑いに若者離れが見えるという声も聞きます。事実、昨年の“嫌いな芸人”調査を世代別に見ると、25~34歳の男性で、さんまさんはトップだったそうです。」point 337 | 1
25~34歳と言えば、平成生まれが多く、いわゆる“お笑い第7世代”と同世代です。
「霜降り明星のせいや(27)が、ラジオで発言したのがきっかけとなり、“第7世代”は今や定着した感があります。もともと明確な○○世代なんてなかったと思うのですが、放送作家の高田文夫さん(71)によると、演劇の世界で新しい波を“第3世代”と呼んだことにちなんで、お笑いでもダウンタウン、ウッチャンナンチャンたちの新しい世代を“第3世代”と呼んだことがあったそうです。そこから逆算すると(ビート)たけしさん(73)やさんまさんなどの漫才ブーム世代は第2世代、それ以前の第1世代がドリフやコント55号になるんだとか。」point 352 | 1
もっとも、第4,第5、第6世代という明確な区分はないそうです。高田先生曰く、《そこへズバッと線をひいて「第7世代」と言い切ったところが霜降りの勝利》だそうです。
「今、さんまさんは、その第7世代を取り込もうとしているように見えます。彼の番組には、霜降りをはじめ、EXIT、四千頭身などの第7世代がゲストとして出演しているでしょ。さんまさんは昔から若手芸人との共演に積極的で、“チームさんま”“さんま劇場”という形で笑いを取ってきましたからね。お笑いに限らず、大勢の若手の中から面白いキャラを見つけ、イジってそのキャラを育ててきた、素人イジりのスペシャリストです。定番の笑いネタを仕込んでお笑いギャグで笑いを取ってきたわけです。もっとも、そうした大先輩のイジりにどう答えていていいのか戸惑っているのが第7世代の芸人であり、イジりを嫌うのが第7世代の視聴者のようです。」point 302 | 1
明石家さんまさんは、性別年齢非公表のモノマネタレント・りんごちゃんに対し、執拗に年齢を聞き出そうとし、「おっさんやないか、アホ、お前」とツッコんだことがSNSで大顰蹙を買ったこともありました。
第7世代以外の視聴者からは、明石家さんまさんを擁護するコメントが上がっています。
・というかさんまさんに頼りきってる今のテレビ局が異常。さんま使ったら視聴率伸びると安易な考えだからテレビは面白くなる。もっと成長させるために若手使ったりテレビ側の企画や努力でなんとかしろと言いたい。そりゃ出すぎたら飽きるやろうし、さんまさんのせいじゃない。
・そもそもお笑い第七世代なんて来てない。世代って革新的進化が起きたらす進むもんだろ。現在はとんねるずダウンタウンウンナンからの第三世代がずっと続いてるだけ。何も進化してない。
・霜降りのせいやの思惑通りに動く、テレビ局があわれ。もう自分たちで考える思考力がないんだろう。何かキャッチフレーズ的なものを付ければ、横並びで使い倒す。そして実力がないというか、テレビ局スタッフにお気に入りにならないと使い捨て。
他人を傷つけない笑いのパイオニア・志村けんさん亡き今、お笑い界はどこへ行くのでしょうか。