『いい夫婦の日』とされている2018年11月22日、京都で農業を営んでいるFarmer’s KEIKOさんがブログを更新しました。
その内容は、亡くなった夫の運転免許証を警察署まで返納しに行った時の出来事であり、人々の心を揺さぶりました。
KEIKOさんの夫は、2018年10月23日に52歳で亡くなりました。
1か月ほど経った11月20日、KEIKOさんの元には、警察署から1通のハガキが夫宛てに届いたのです。
それは、「運転免許証更新のための講習会に、夫が来ていないことを知らせるハガキ」でした。
KEIKOさんは、夫が運転免許証の更新をしようとしていたことを思い出しました。
KEIKOさんは亡くなった夫に代わりに、古い運転免許証を返納するために警察署に向かいました。
「運転免許証の所持者が亡くなった場合、遺族は警察署や運転免許センターなどにすみやかに返納するべきだ」とされているが、これは、決して義務ではありません。
しかし、夫は運転免許証の更新手続きを進めていたために、便宜的に古い免許証を返納する必要があったようです。
警察署にて、警察官に夫の古い運転免許証を手渡したKEIKOさん。
その時、新しい免許証を見たKEIKOさんは、涙があふれて止まらなくなってしまったのです。
「なぜならその免許証の写真が、主人の最後の写真だったからです。
しかも無精ひげを生やして、寝ぐせつきまくりで、顔はブスッとしてて、不細工な写真なんです。不細工すぎて泣きました。
主人らしいな、普通は免許証の写真なんて何年も使うものだから、少しでもよく映りたいと思うものなのにね。」
引用:Farmer’s KEIKO オフィシャルブログ
「故人の新しい免許証を持ち帰らせてくれた」というケースもあります。
しかし、KEIKOさんが行った警察署では、持ち帰ることができませんでした。
そこで、涙を流すKEIKOさんを見た警察官が、ある提案をしてくれたのです。
「免許証はお渡しできませんが、カラーコピーをとりましょうか?」
警察官はKEIKOさんに何とか、夫の最後の写真を持ち帰らせようとしてくれました!
カラーコピーをしたところ、「写りが悪いから」と、運転免許証の写真まで撮らせてくれたのです。
「あんた、待ちに待ったゴールドの運転免許証やで。昔はしょうもないシートベルトとかで捕まって、今回は違反がなかったので念願のゴールド免許証やで、5年更新やから次回の更新は平成35年まで有効やからな。」そう言って仏壇に、不細工に映っている主人の顔写真付きの免許証を飾りました。
男前やのに、なんで最後の写真はこれやねんっ・・・泣き笑いでした。
引用:Farmer’s KEIKO オフィシャルブログ
夫が手に取るはずだったゴールド運転免許を供えたからでしょうか。
KEIKOさんは後日に夢の中で夫と会います。
いつもは会話ができないそうだが、この日は夫の声を聞くことができたそうです。
私が「死んでもいいわ、ぽっくり逝って、あんたに会いたいわ」って言うと(あくまでも夢での話です)
主人が声を大にして
「アカン、わしはな、お前を見ているのが楽しいねん。」
その言葉を最後に目が覚めました。
引用:Farmer’s KEIKO オフィシャルブログ
「おまえを見ているのが楽しいから、死ぬな」
夫のこの一言に、KEIKOさんは胸がいっぱいになったのでしょう。
ブログの最後、KEIKOさんはこのような言葉を綴りました。
今日はいい夫婦の日。
25年前と同じように返事をしようと思います。
「はい喜んで!その代わり世界一、仲のいい夫婦になろうね」って。
引用:Farmer’s KEIKO オフィシャルブログ
夫婦の愛を感じる感動的なエピソード。
夫はきっとこれからも、空からKEIKOさんを見守ってくれるのでしょう。
ブログを読んだ人たちから、このようなコメントをしました。
「警察官の粋な計らいが、どれほど嬉しかったことでしょう」
「泣きました。すべては亡くなった夫が、そうするようにうながしてくれたことだと思います」