事件の経緯

ガイガー被告は１階上の部屋と自分の部屋を勘違いし、当時ソファに座っていたジーンさんに向けて発砲しました。

なお、玄関の鍵は施錠されていなかったといいます。

ガイガー被告の弁護側は

「１４時間の勤務を終えた疲れで部屋を間違えたことに気づかなかった」としています。

被告は白人、被害者は黒人

黒人に対する差別がなくならないアメリカでは白人の警官が発砲しても罪に問われないことも多くありました。

そのため、ガイガー被告は白人、亡くなった男性、ジーンさんは黒人であったことから公平な裁判を求めるデモも起こっていました。

証言をためらう人もいた中で、証言台に勇気を持って立ったのは、ジーンさんと同じ階に住んでいたブラウンさんでした。

ブラウンさんは涙を流しながら

「２人の人間がいきなり鉢合わせした音と、その後に２発の銃声を聞いた」

と証言しました。

ブラウンさんの証言と、ガイガー被告が罪を認めていることから禁錮１０年が言い渡されました。

判決を聞いたジーンさんの母、アリソンさんは立ち上がって両手を高くあげ判決に対して称賛しました。

アリソンさんは「眠ることも食べることもできず、自分にとって最もつらい時期だった」

と語りました。

また、ジーンさんの弟のブラントさんは、判決を聞いた後、ガイガー被告に話しかけたいと裁判長に許可を求め、

「もし本当に申し訳ないと思っているなら、僕はあなたを許します。私は私自身に”もう忘れよう”ということができます。あなたに刑務所に行って欲しい訳ではないのです。あなたを人として愛しているから、悪いことが起きませんように、、」

と声をかけ、被告を抱きしめました。

ここで悲しい事件は幕を閉じると誰もが思っていました。

事件は収束したかと思われたとき、証人として証言したブラウンさんが何者かに射殺される事件が起こりました。

同じマンションで銃声がしたとの通報を受け、駆けつけた警察官は倒れているブラウンさんを発見しました。

ブラウンさんは複数の銃弾を受けており、搬送先の病院で亡くなりました。

現在、ガイガー受刑者の裁判との関連づけられるものは見つかっておらず、現場から走りさった車の目撃情報が挙がっています。

二人の黒人男性が犠牲になった悲しい事件の今後に注目が集まっています。