ペニオク、ペニーオークションという言葉が一昔前に世間をにぎわせました。広告塔となっていた小森純さんをはじめ複数の芸能人がバッシングにあい、なかでも小森純さんはテレビだけでなくモデルの仕事もほぼ失って事実上の謹慎状態に追い込まれたのは記憶に新しいところです。しかし、「ペニオクで干された小森純」という図式は知っていても、「なんだか悪いことに加担してテレビから干された」くらいの漠然としたことしか知らない方も多いことでしょう。
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ペニオクとはいったいどういうもので、何が法律に触れてしまったのか詳しく見ていきましょう。ペニーオークションというのば別名入札手数料オークションとも呼ばれ、開始価格は0円や数百円など安い代わりに入札するたびに運営に手数料を支払うオークションの形態のことです。落札金額よりもその手数料で利益を出すビジネスモデルと言えるでしょう。
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たいていは出品を運営が行うため、あまり入札者が少ないと安く品物を落札され、かつ入札手数料もほとんど入らず運営が損をしてしまいます。そのため、多くの場合ペニーオークションでは運営側が架空の入札をして値段を釣り上げ、また何度も競わせて入札させることで手数料を稼ぐ手法が疑われています。
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2012年の年末に日本で起こったペニオク騒動もこういった形であり、オークションを主催していた出会い系サイト運営業者は架空の入札を繰り返し、入札者から手数料を巻き上げていました。さらに業者が家宅捜査を受けた結果、そもそも出品されていたはずの商品を入荷すらしておらず、最初から落札させる気がなかったことが明らかになるなどその手口の悪質さが話題となりました。
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入札者が少ないと儲けが出ないためこの業者は小森純さんなど、ファンがついている芸能人に数万円~数十万円の報酬を渡し、ブログ等で宣伝をさせていました。報酬を受け取っているのにそれを隠し(ステルスマーケティング、いわゆるステマ)、かつ実際には利用していないのに「ペニオクでこんなに安く良いものゲットしました!」とウソの内容を書いたことが問題となったのです。
業者は逮捕され、広告に加担した人たちは罪には問われないものの社会的信頼を失い、とくに小森さんは関与を認めて謝罪を行っただけに世間からバッシングの集中砲火を浴びることとなってしまいました。また、この騒動は「ステマ」がクローズアップされるきっかけでもあり、これ以降芸能人のブログなどが厳しい目で見られるようになっています。