収束の気配が見えない新型コロナウイルス(COVID-19)。2020年2月21日の厚生労働省の発表によると、日本国内で79例の患者、14例の無症状病原体保有者が確認され、横浜港に寄港しているクルーズ船『ダイヤモンド・プリンセス』では、のべ3063名について検査を実施して、634名が陽性と確認されています。
その『ダイヤモンド・プリンセス』船内からTwitterで情報を発信し続けていただぁさん(@daxa_tw)は検査で陰性と確認され、21日に下船して帰宅することができました。
また、下船前には客室係に対して「最後の嫌がらせ」をツイートしました。机の前にきれいに並べられた、色とりどりの折り鶴に赤いバラの花…投稿者さんが残したのは、あまりにも優しい『嫌がらせ』でした。「最高の嫌がらせ」「粋ですね」「ウルウルきた」といった反応とともに、情報の発信に対する感謝の声が多数寄せられています。
「客室係のラモーナに最後の嫌がらせを残して帰ります。1ヶ月間毎日お世話をしてもらいました。感謝しかない。もし彼女に会うことがあったら、露骨に贔屓してあげてください。私の恩人です。」
客室係のラモーナに最後の嫌がらせを残して帰ります。1ヶ月間毎日お世話をしてもらいました。感謝しかない。もし彼女に会うことがあったら、露骨に贔屓してあげてください。私の恩人です? pic.twitter.com/g9BGNdX85S
ADVERTISEMENT — だぁ(On board the Diamond Princess / 乗船中乗客) (@daxa_tw) February 21, 2020
だぁさんによると、ラモーナさんは「とにかくいつも明るいです。国籍は分かりませんが東南アジア系だと思います。一人で仕事をしている時も歌を歌ったりしています。顔を合わせると確実に何かしゃべりかけてきます。言葉が通じないので挨拶程度ですが。」と、その明るい性格に救われたそうです。
「陰性だと分かったときはほっとしましたね」いうだぁさんは、Twitterが「どこか義務みたいにしていたところがありました」といい、「“あー終わった”という感じですね。今もまだ船内に残っている方からメッセージをもらうと悪い気はしますが、とりあえず私の役目は終わったかな、と思っています。」とコメントしてくれました。
私の役目はこれにて終了です。アカウントは今後の為にも残しておきます。ツイートは控えますがコメント、DMは出来るだけ返事を続けます。メディアの方々への塩対応すいませんでした。今後はまともな返事も出来ると思いますので何かあれば遠慮なくどうぞ。それでは皆さん、お疲れ様でした。 pic.twitter.com/QmV4vKZGEf
ADVERTISEMENT — だぁ(On board the Diamond Princess / 乗船中乗客) (@daxa_tw) February 21, 2020
このツイートに、このようなコメントが届いています。
・千羽鶴に匹敵しますね。その客室乗務員さんも、早く下船出来ますように。
・意地悪すぎて、なぜだか涙が…。最高の嫌がらせですね。
・確かに、その客室乗務員は鶴を捨てられなくて、困りそうだ。
感染拡大が広がる中、船内での対応にさまざまな批判が上がっていたのも事実です。
しかし、何百人もの乗客の命と生活を守ろうと尽力してきた船員たちの存在を忘れてはいけません。だぁさんの『最後の嫌がらせ』は、そんな船員たちの存在と彼らの働きの大切さに気付かせてくれるものでした。