新型コロナウイルスの集団感染が発生し、停泊が続いていたクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス号」。2月13日に日本政府が「高齢者と持病がある乗客を優先的に下船させる」という立場を明らかにしましたが、このような政府の措置に「東京オリンピックのことしか考えていないのでは?」といった指摘があります。
新型コロナウイルスの集団感染で停泊中であった「ダイヤモンド・プリンセス号」
新型コロナウイルスの集団感染が発生し停泊が続いていた「ダイヤモンド・プリンセス号」。当初、日本政府が船内で待機していた乗客の感染が初めて確認された2月5日から2週間後の2月19日まで感染確認者を除く全員を船内で待機させる方針を明らかにしていましたが、2月13日になり、80代以上の高齢者を優先的に下船させることを発表しました。
乗客を隔離させたことがむしろ逆効果だった?
感染の拡大を防ぐべく、日本政府は「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客たちを隔離しているわけですが、それにより船内の残されている乗客たちが立て続けに感染してしまったことで「このような措置はむしろ逆効果だったのではないか?」といった声が高まっています。現に「ダイヤモンド・プリンセス号」では2月13日現在、クルーズ船内で乗員1人を含めた44人の感染が追加で確認され、船内感染者は合計218人と増え続けています。
政府は東京オリンピックのことしか考えていない?
なお、このような日本政府の措置に世界中が疑問視しているようです。まず「感染者が隔離されるのであればまだしも、感染が確認されていない乗客まで隔離されるのはおかしい」といった「人権問題」を謳う声もあれば「東京オリンピック開催のために新型コロナウイルスの拡散を防ごうとしたのではないか?」といった意見もあります。
これに関しては、間もなく行われる東京オリンピックの開催を目前にし、日本政府は海外の観光客の訪問が激減することを恐れたために「ダイヤモンド・プリンセス号」の隔離をしたのではないか?といった指摘というわけですが、要は日本が「自分本位」と言いたいのでしょう。「新型コロナウイルスに感染することよりも、ウイルスが日本に入ってくることを防ぎたがっている」といった指摘です。
船内環境の問題もありウイルスが拡散した?
また、このようなウイルス拡大の影響は日本政府のこのような措置だけではなく、乗客間の接触を最小化し、船内環境を清潔に維持する必要があったのではないか?という「ダイヤモンド・プリンセス号」の関係者を批判する声もあります。クルーズ船という閉鎖された空間に隔離させた結果、ウイルスの拡散が広がってしまったわけですから批判は避けられないことでしょう。
「東京オリンピックの中止はない」と断言している日本
なお、東京オリンピックの組織委員会会長である森喜朗は「東京大会の中止や延期は検討されていないことをあらためてはっきり申し上げたい」と断言。それだけに意地でも新型コロナウイルスの拡散を防ぎたいようですが、世界中で日本政府への批判はおさまることはないようです。
まとめ
このように、「ダイヤモンド・プリンセス号」の乗客を隔離させたことで、むしろ感染が拡大してしまった新型コロナウイルスですが、東京オリンピックの開催に向けて日本側も色々敏感になっていることは確かです。しかし、その一方でこのような日本政府の措置は不適切である、と世界中で批判が広がっていることで、日本は今後、新たにどのような対策を練っていくのか、その動向について注目していきたいと思います。