百田尚樹さんは日本の小説家で放送作家です。作品のいくつかは映画化され、話題になりました。例えば「永遠の0」は日本アカデミー賞の最優秀作品賞受賞し、大ヒットした作品です。あらすじは、主人公の佐伯健太郎はある日祖父から血の繋がりがないことを知らされ、本当の祖父は宮部久蔵だと分かります。
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宮部久蔵は零戦の天才パイロットで、一番の臆病者と言われていました。臆病者と呼ばれている宮部久蔵がなぜ特攻隊に志願し、帰らぬ人となったのか、佐伯健太郎は調べることになります。宮部久蔵は娘に会うまでは死ねないという想いから、臆病と周囲から言われても自分の命を大事にしていました。宮部久蔵は特攻隊の教官になり、自分だけが生き延びて良いのかという思いにかられます。
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自分だけ生きるわけにはいかないと思い、特攻隊に志願し、宮部久蔵は自分の最新の零戦と部下の古いタイプの零戦を交換するのです。宮部久蔵は命を落とし、部下は生還します。生き延びた部下は、佐伯健太郎の祖父でした。命の大切さや家族の愛情を感じることができる作品です。
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百田尚樹さんが描いた「海賊とよばれた男」も映画化されていて、あらすじは明治、大正、昭和の時代において、無名の青年が事業を立ち上げ、大企業に成長していく様子が描かれています。舞台は終戦で、敗戦による玉音放送が流れ、廃墟となってしまった街で、日本人の多くが未来に希望を持てずにいました。その中で、日本を立て直そうと熱い情熱を燃やしている一人の男性がいます。
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主人公の石油販売を行っている国岡商店の店主である国岡鐵造です。国岡は戦前に行っていた中国における海外事業をすべて失っていました。しかし、わずかに残っている従業員を解雇せずに、取れるような仕事はすべて取り、国岡商店を成長させていきます。戦後の混乱期を乗り越え、その後に続いていく高度経済成長期において、国岡は機転と行動力を使って、国岡商店を大きく拡大させていき、さまざまな苦境を乗り越えていくのです。戦後石油のない環境においてどうやって商品を手に入れたか、どうして国岡が海賊と呼ばれているのかが描かれています。
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どのような状況にあっても希望を捨てずに、そこから立ち上がろうとする国岡のモチベーションやエネルギーに感化されるストーリーです。百田尚樹さんはもともと放送作家で、関西地方を中心に多くの番組を手掛けていました。「永遠の0」で小説家としてデビューし、その後数々の素晴らしい作品を世に送り出している作家です。