11月に発表した3年ぶりの小説『オルタネート』が第164回直木賞にノミネートされた加藤シゲアキ。12年1月の作家デビュー9年目、現役アイドルとしては初の快挙で、ジャニーズ事務所の所属アーティストとしても初のノミネートとなった。
第一報を聞いた加藤シゲアキ。「まずは率直な心境として「『マジすか!?』って言いましたもん。エイプリルフールかなとか、何かのドッキリかなとか」と、驚いたという。1作目発表から8年、自身6作目の小説での直木賞ノミネートとなった。 2012年に「ピンクとグレー」で作家デビュー。当時を「暇だったんです。その時、本当に暇だったんですよ。自分が何者でもないっていう不安があったので『今、何かに夢中になれるものってなんだろう。燃え尽きるように向き合えるものってなんだろう』って考えた時に小説を書こうって思ったんですよね」と振り返った。
今回の「オルタネート」は高校生の青春がテーマだが、これまでは恋愛を書くっていうことに抵抗があったという。理由を「僕がテレビに出る側の人間ということもあって自分が意図していないところを感じ取られるのは当時はすごく嫌だったんです」と打ち明けた。それでも6作目に突入し「読者を信用できるようにもなりましたし、作家としていくらか余裕も出てきたところがあって、青春群像劇、恋愛、高校生っていう、ちょっと照れくさいようなテーマを今こそ向き合うべきかなと思いました」と告白。
加藤シゲアキの直木賞ノミネートを受けて、蓮舫氏は、NEWSの加藤シゲアキの新作小説「オルタネート」が直木賞の候補作品に選出されたことを報じるネット記事をアップした。
蓮舫氏は「直木賞候補に加藤シゲアキさんが。芸能活動もすごく忙しいと思うのに、執筆活動に取り組まれる姿勢にただただ感動です」とツイートした。 さらに「トレンド入り、ファンの方をはじめとしたTweetがとても素敵なものが多く、朝から元気になりました」とつづっていた。
ノミネート候補の記者会見で最後に、「作品に対しては…直木賞を受賞できるかと言われると自信はありませんが、作品に対してはすごく自信があるので。特に、この作品は、若い読者の方に本の楽しさを初めてでも実感していただけたらという思いが、強くあったので、そこを意識して書いていました。やっぱり楽しくないと読みたくない、面白くないと読みたくないと思いますので。とにかく面白く本を読み、気づいたら、読む前とあとで少し人生が、景色が変わって見える。そんな作品になるように心がけて書きました。」と作品に対しての思いを述べた。
最終選考会は来年1月20日。初のアイドル受賞となるのか、注目されるところである。