去る 3月1日、劇作家で演出家の野田秀樹(64)さんが 「公演中止で本当に良いのか」と題し、ウェブサイト「NODAMAP」上で意見書を発表しました。「感染症の専門家と協議して考えられる対策を十全に施し、観客の理解を得ることを前提とした上で、予定される公演は実施されるべき」と意見を述べました。
さらに野田さんは、劇場の閉鎖により再開が困難になることを「演劇の死」という言葉で表現。“演劇は観客の存在により成立するもので、劇場が閉鎖されるという前例を作るべきではない“と主張しました。
実際に 流行する新型コロナウイルス感染症の影響で、多くの公演が中止を余儀なくされています。倉科カナ(32)さん主演の舞台『お勢、断行』は 2月28日に初日を迎える予定でしたが、地方公演を含め全公演が中止となりました。
意見書を受け、ネットでは様々な意見が…
劇作家で 演出家の平田オリザ(57)さんはツイッターで 意見書に対し、《私も連帯を表明します。》と支持。
同じく劇作家で演出家のケラリーノ・サンドロヴィッチ(57)さんも、ツイッター上で 《俺だって連帯を表明します。》としました。
脳科学者の茂木健一郎(57)さんも意見書に賛同。《さまざまな手段、工夫は尽くした上で、公演中止は最後の選択肢であるべきでしょう》と述べました。point 269 | 1
しかし SNS上では、感染症予防という点に重きを置いた批判の声も多いようでした。
《もし公演をして感染が広がったら、そのせいで劇場の評判が落ちるかもしれない》
《命を守ることの方が大事だと思う》
《感染が広がって観客がいなくなれば、それこそ「演劇の死」では?》
公演を行うべきか、中止すべきか? 難しい問題に議論は続きそうですが…。
高須院長が 野田秀樹氏“演劇の死”意見書に反論!に共感⁉
その渦中に、高須クリニックの高須克弥院長(75)が 2日に、自身のツイッターを更新。野田秀樹氏(64)が「一演劇人として劇場公演の継続を望む」とする意見書を発表したことに対する自身の意見をつづっていました。
高須院長は 野田氏の意見書に関する記事を引用し、「一時的な劇場閉鎖で演劇は死にません。必ず再開できます。何度でも生き返れます」と主張。「人は死ぬと二度生き返れません。生命を守るのは何よりも重要です」とし、「自粛をお願いいたします」と訴えました。
この報道に対しても 多くのコメントが寄せられていましたが…
《 舞台関係の仕事をしています。高須院長の意見が正論と思います。
劇場に行った人が原因で感染拡大したら 直接劇場に行かなくても亡くなる人が出てきます。人が死ぬかもしれない事を強行するべきじゃない 》
《 私もそう思います。演劇ってそんなに弱っちょろいもんなんですか?私は、演劇はそんな簡単に死んだりしないと思います。演劇の熱量は一時的な中断には負けません。トップを走る野田さんがそんな発言をしていたら、関係者の不安が増すだけだと思います 》
《 高須先生の言葉の方が 重みもあり響きました。
野田氏は演出や伝えるプロでありながら「演劇の死」を安易に言葉に出してしまった演出手腕に残念です。何よりも演劇はそんなに脆い文化ではありません。過去に検閲官が演劇の台本を検閲しても作品は生まれ演劇も死にませんでした。演劇の死と大袈裟に言わずにチャンスの少ない若手出演者や中止時に費用負担で首が回らなくなる小劇団や金銭力の低い演出家の生活が苦しくなると言えばよかった。その言い回しを演劇の死と安易な言葉ではなく、違う言い方で響く言葉を選んで欲しかったです 》point 248 | 1
やはり、今の この意緊急事態においては、自粛を望む 高須院長に共感する声が多く寄せられているようでした。