活動休止が決定したNEWSの手越祐也さん。ジャニーズの王道をいくアイドルとしてデビューしたはずの彼は、どうしてこうも落ちぶれてしまったのでしょうか…⁉ その軌跡を関係者の証言と共に追っていきます。
散々手越を庇ってきたが、今回ばかりはその責任を重く受けとめ…
26日、ジャニーズ事務所は手越の芸能活動休止を発表。新型コロナウイルス感染拡大に伴い緊急事態宣言が発令中にもかかわらず、自宅に女性を連れ込み飲み会を催したことが『週刊文春』で報じられると、手越はジャニーズのチャリティー活動ユニット『Twenty★Twenty』から外され、実質的な謹慎処分に…。しかし、再び『文春オンライン』が六本木のラウンジで遊んでいる手越の姿をキャッチ。さすがに事務所も看過できなくなったのか、今回の「芸能活動休止」に相成ったわけです。point 258 | 1
一部の週刊誌報道では、3月半ば 藤島ジュリー景子社長が 手越を直々に呼び出して、自粛期間中の夜遊びは控えるようクギを刺していたというから、事務所としては裏切られた思いが強いのかもしれません。芸能記者A氏の話。
「そもそも最近のジャニーズは女性関係のスキャンダルには割と寛大。昔は熱愛報道が出ると無理やり別れさせるなんてこともしたみたいですが、最近はそうしたことも減ったと聞きます。ただ、手越の場合はだんだんと『女性スキャンダル』だけでは済まなくなってきた。金塊強盗犯とのツーショット写真の流出や、安倍昭恵夫人との“桜を見る会”など、どう考えてもヤバい方向に転がり始めてしまった。そして極め付きが今回のコロナ禍の飲み会報道です。これまで散々手越を庇ってきた事務所ですが、今回ばかりはその責任を重く受けとめるしかない」point 252 | 1
スピードデビューもアフターSMAP世代の困難と俳優路線の挫折
ジャニーズ事務所にはいまや大勢のタレントが所属しているため、中にはなかなかチャンスに恵まれないタレントもいます。しかし、手越さんの場合は違いました。2002年に15歳でジャニーズ事務所に入所し、その10カ月後には NEWSとしてデビュー。ジャニーズの場合、デビューまでに 10年以上かかるタレントもおり、そう考えると手越のスピードデビューはエリート扱いであったといえるでしょう。point 269 | 1
その後、05年 ほぼ芝居経験がないにもかかわらず、重松清の小説を原作にした映画『疾走』の主演に抜擢され、ヒットには至らないものの、ベルリン国際映画祭などの映画祭にも出品されるなど、一定の評価を受けていました。これをきっかけに、手越さんは 役者業に舵を切り、ドラマ『マイ☆ボス マイ☆ヒーロー』(日本テレビ)、『しゃばけ』(フジテレビ)など、定期的に役者仕事をこなしてきました。しかし、どれもこれも大ヒットには到底及びませんでした。point 269 | 1
そんな矢先、転機となったのが 07年からスタートした、バラエティ番組『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)へのレギュラー出演。ジャニーズのタレントへのインタビューも行ってきたライターB氏は…。
「00年代以降のジャニーズタレント、アフターSMAPの世代とでもいいましょうか、彼らは『ジャニーズたるもの歌とダンスだけではなく、芝居もバラエティも、全部できて当たり前』というような価値観の中で育てられてきたように思います。世間的にも“SMAPのような”マルチに活動できるアイドルがより求められるようになった。
手越くんは元々繊細な表現をする人で、歌や芝居などをやらせると光るものがあったと思います。しかし、ヒットが出ない以上、もっと武器を増やさなくてはいけないということで、『イッテQ!』というバラエティに挑戦することになった。そこで開花したのが『ジャニーズなのにチャラい』というキャラクターでした」
『イッテQ!』でも、スタート当初は 存在感が薄かったが、「チャラいキャラ」を確立してからは、率先して体を張ったロケにも挑み、世間的な認知度も急上昇していきました。しかし、このキャラクターがウケればウケるほど、芝居の仕事はままならなくなっていきます。
「手越くんの『チャラいキャラ』は彼の最大ヒット作ともいえます。しかしそのイメージが強烈がゆえに、ほかのキャラクターを演じることがだんだんと困難になっていったように思います。連続ドラマの出演は11年の『デカワンコ』(日テレ)で最後です。事実上、役者の路線は諦めてバラエティに全力投球していくようになりますが、しかし、結局それも『イッテQ!』のレギュラーのみで、SMAPの中居(正広)くんや関ジャニ∞の村上(信五)くんのように幅広いバラエティ番組で重宝されていたかというと、そうではありません」(前出のライターB氏)point 256 | 1
この頃から、チャラいキャラクターを強化していくかのように、スキャンダル報道が増えていった。13年には、元SKE48の鬼頭桃菜と「泥酔キス現場」が報じられ、翌年にはサッカー日本代表・内田篤人選手との「キャバクラ密会」、15年には AKB48の柏木由紀との「抱擁写真」と、ゴシップを量産。そしてこれらはすべて『イッテQ!』内で ネタとして消費されていくのでした。中堅芸能事務所幹部C氏は こう語ります。
「スキャンダルが出るたびに、『イッテQ!』でそれをイジり、笑いに変えてきましたよね。事務所は手越に『気をつけるように』と一応注意していたようだけど、かたやバラエティ番組ではスキャンダルそのものが笑いの種になり重宝されていた。つまり、手越に反省する余地などなかったのです。だって、スキャンダルがそのまま売り物になるんですからね。これはかなり歪な構造だと思います。しかも手越は20代の半ばからこれを続けてきた。目を覚ます暇も与えられず、抜け出せなくなっていたんでしょう。そう考えると事務所やテレビ局にも責任の一端があるのかなと…」point 322 | 1
スキャンダルがアイデンティティに⁉ 唯一残されたライブ公演も…
スキャンダルが出るほどに「チャラいキャラ」が強化され、バラエティ番組で消費される──この繰り返しによって、スキャンダルモンスター・手越祐也さんが 完成したわけです。スキャンダルそのものがアイデンティティになってしまっては、改心のしようもないでしょう。それでも、アイドルとしてステージに立つ手越さんには 違う魅力があったと、前出のライターB氏は語ります。point 204 | 1
「バラエティ的な『チャラいキャラ』を脱ぎすてることができる唯一の場所が、NEWSのコンサートだったと思います。ファンもコンサートでの手越くんが好きだから、日頃のゴシップには 目をつぶれるという面もあった。彼は非常にグループのことを考えていたし、いつかは『チャラいキャラ』しかないという状況を打破して、ライブパフォーマンスを評価されたいという思いもあったはずです」(前出のライターB氏)point 253 | 1
しかし、そんな思いが叶う前に 芸能活動休止という重い処分がくだってしまいました。もちろん、緊急事態宣言下の夜遊びは褒められたものではないのも事実。しかし、芸能界で生き残るために「チャラいキャラ」を突き詰めた手越さんという “タレント”を作ってしまったのは 一体誰なのでしょうか…⁉ ジャニーズ事務所は タレント育成の根本を 見直す必要が あるのかもしれません。