全国の自治体や企業のキャラクターが人気を競う「ゆるキャラグランプリ2019inしあわせ信州NAGANO」の投票結果が3日、長野市のエムウェーブで発表されました。ご当地部門1位となったのは、10万6419票を獲得した長野県PRキャラクターの「アルクマ」です。

今大会は、全国からご当地部門426体、企業・その他部門363体のキャラクター計789体がエントリーしました。投票形式はネット投票と現地投票の2種類で行われ、期間はそれぞれ8月1日~10月25日のインターネット投票と、今月2、3日の現地・エムウェーブで行われた投票結果を集計しました。また、現地投票の倍率はネット投票の2倍でカウントされるように調整されたということです。1位を獲得した「アルクマ」のプロフィールをご紹介します。
・信州に出没する大変珍しいクマの「アルクマ」
・身長はリンゴの木の半分くらい
・体重はリンゴ70個分くらい
・クマなのに寒がりで、いつも頭にかぶりもの
・クマなのに旅好きで、いつも背中にリュックサック
・信州をクマなく歩きまくり、信州の魅力を世の中にクマなく広めるのが生きがいADVERTISEMENT
この日は黒のタキシード、赤の蝶ネクタイ姿でかぶりものは黒のハットという正装で登場したアルクマは、短い手をめいっぱい広げ、大歓声の観客に向かって何度もおじぎを繰り返していました。グランプリのメダルが大きな頭を通らないハプニングもありましたが、耳にかけて誇らしげにアピールし、県の担当者を通じて、「とってもうれしいです。ファンと県民のみんなの協力のおかげです」と喜びをあわらにしました。
2位に輝いたのは、大阪府泉佐野市の「一生犬鳴!イヌナキン!」(10万6358票)で、1位との差わずか61票という大接戦となりました。イヌナキンは公募作品を参考に人気漫画「キン肉マン」の作者ユニット「ゆでたまご」が仕上げたキャラクターで、市内の犬鳴山にある義犬伝説をモチーフにしており、筋骨隆々の「ゆるくない」外見が特徴的です。
3位となったのは、熊本県の「ころう君」(9万5904票)。熊本の鞠智城(きくちじょう)のお城を守る防人のころう君は、お米が大好きで菊池城の魅力をPRするために全国各地で活躍しているキャラクターです。イベント会場には2日間で延べ1万7530人が訪れ、長野県のPRブースでは10月の台風19号の被災者への募金活動も実施していました。台風19号によって大きな被害を受けた長野県。アルクマのもとにも、SNSを通じて全国からたくさんの応援の声が届いたといいます。
グランプリという結果で、被災地に明るいニュースを届けることができたアルクマは、「元気をお伝えして、いろんな人に遊びに来てもらって、復興を早めていきたい。これからもアルクマにできることをやっていきたいです」と意気込みを語り、その横で涙ぐむ女性スタッフの姿もありました。ステージに登壇した長野県の阿部守一知事は「みなさんに応援してもらいグランプリを取ることができた。地域の元気を出していくため、多くの方に来てもらいたい」と投票してくれたファンへ感謝の気持ちを述べました。
企業・その他部門の1位は、バーチャルYoutuberの「オシャレになりたい!ピーナッツくん」で、ファンや交流のあるVTuberからの応援もあり、ピーナッツくんは初日の段階で企業その他部門の1位を獲得していました。その後の表彰式では来年の開催地が岩手県と発表されると、ゆるキャラグランプリ実行委員会の西秀一郎会長(56)は、同グランプリは来年が最後の開催になることも明かし、数々の人気ゆるキャラを生み出してきた同グランプリは終わりを迎えるようです。