去る2月21日に行われた元SMAP中居正広(47)のジャニーズ退所発表会見。長く同事務所を取材するベテランの担当記者が最も注目したのがこのコメントでした。
ジャニーズ側の本音が垣間見えた⁈
「引き留められなかったですねえ。上から2~3番目に偉い人が、なんか芝居っぽく残念がってるみたいな」―。
昨年6月の事務所との話し合いで、ジャニーズ側から引き留められたかとの質問に、中居は笑いつつ否定し こう答えたのです。
「僕自身の気持ちを尊重してくださいました」と中居は続けましたが…
「ものすごくシビアにいえば、ジャニーズにとって中居君はもはやお願いしてまで残ってもらいたいというタレントではないということでしょう」と、前出のベテラン記者はこう続けます。
「ジャニーズの主体事業はコンサート、舞台なんです。おなじ元SMAPでも、ソロでまたコンサートを再開したキムタクは夜の公演に昼から行列ができて、グッズが飛ぶように売れています。中居君は会見でも明言していましたけど、歌と踊りはマジで無理。ドラマや映画での演技も積極的ではなく、マイペースで、やりたいことしかやらないことで知られている。もちろんバラエティーのMCには定評がありますし、これまでのジャニーズへの貢献度は計り知れない。でも、彼をしても、将来的にはお荷物になりかねないリストラ候補だったのでしょう。常にスタッフを付けたり気を使わなきゃいけないし、この先も面倒見ていくのは大変。自分から辞めるなら引き留める理由はないというジャニーズ側の本音が垣間見えた気がします」
独立による損失は大したことない⁈
関係者によると、中居のギャラはMCを務めるバラエティー1本当たり、推定300万円程度という。ゴールデンタイムの高視聴率番組か深夜かで、プラスマイナス100万円前後で推移するそうです。CMは時価で、最も高値のころで推定6000万円。これらのうち、ジャニーズ事務所は 制作協力費などの名目で収入が入ってきました。仮に週に計1000万円もの番組出演料を得るとしてそれを年間50週やるとすると、実に5億円ものギャラを稼ぎ出す計算。さすが 売れっ子タレントと言えそうだが、ジャニーズ全体でみるとこうなるそうです。
「たとえば今年いっぱいで活動を無期限休止する嵐は、コンサートをメインにCD、DVD、グッズ販売などで高収益があり、昨年の20周年では500億円にのぼったとされています。これは安室奈美恵の引退公演を優に超える額で、プロ野球球団の優勝時、東京ディズニーランドの年間売り上げを引き合いに出す専門家もいる。仮に3年間休んだとしても、その後の復活ツアーでまた巨額な実入りが見込める。また売り出し中のKing&Princeがツアーに出れば70億円は軽いとされ、ポスト嵐への期待も膨らむ。それらに比べればですけど、中居君の独立による損失など大したことじゃないのです」(芸能関係者)
ジャニーズ事務所も滝沢秀明(37)が副社長に就任するなど世代交代が加速。47歳の元アイドルにもはや居場所はなかったともみられるようです。これが 巷間いわれる“円満退社”の実態で、今後、視聴率が取れなければ 当然ながら番組も打ち切り対象になる可能性もあります。香取慎吾ら先に退所した “新しい地図”のように、ジャニーズの傘から外れたのだからテレビから消えることも十分に考えられるという声もあります。
滝沢新体制は「開かれたジャニーズ」⁈
しかし その一方で、テレビ関係者によると…
「 昨年ジャニー喜多川社長が亡くなって、藤島ジュリー景子さんが社長に、滝沢秀明さんが副社長に就任しました。さらに、ジュリーさんの母親であるメリーさんは会長業から勇退するとみられています。その影響もあるのか、藤島家の影響力も低下しているようで、ジャニーズ社内は本格的に“滝沢体制”に移行し始めているとのこと。
滝沢さんは、かつての強硬路線のジャニーズからの脱却を目指しているらしく、独立したメンバーと現役メンバーが共演できるような環境を目指しているとも聞いています。
そういう意味では、中居さんはかなりのキーパーソンですよね。中居さんと現役ジャニーズが共演すれば、“変わったジャニーズ”を業界内にアピールすることもできるし、現役ジャニーズたちも自分の可能性を追い求めることができるようになる。いろいろな点で“開かれたジャニーズ”に変革するタイミングなのではないかといわれています」
いずれにしても 多方面に大きな影響を与えることとなると思われる中居正広の独立。芸能界の勢力地図が塗り替えられようとしているのかもしれません…。