30日、音楽フェス「NAMIMONOGATARI」の主催者が 公式サイトを更新。去る28日、29日に 愛知県で開催された 同フェスで、密状態を招いたことについて謝罪したというのですが…。
同フェスは、愛知県国際展示場(AICHI SKY EXPO)で開催され、ソーシャルディスタンスの確保など 感染対策のルールが十分に守られておらず“密”の状態になっている観客の様子が SNS上で拡散されたことで、批判を集めていました。
「この度はNAMIMONOGATARI2021の開催にあたり、地域の皆様、全国の皆様、関係者の皆様そして、今まで音楽業界、イベント業界を支えてきて頂いた関係各位の皆様に多大なご迷惑、ご心配をおかけしてしまった事を深くお詫び申し上げます。申し訳ございませんでした」と、主催の「オフィスキーフ」(名古屋市)は謝罪。
「今年の3月に開催を発表し、開催に向けて準備をしておりました。準備が進んでいく中、8月18日までの10日前までの時点で、今年の開催が可能な事、過度な飲酒でなければお酒の提供も可能という状態で愛知県から話を頂き、10日前から会場の設営に入りました」と、経緯を説明。
前日に緊急事態宣言で 当日は注意喚起も常に密な状態に⁉ 出演アーティストら謝罪相次ぎ…
ところが 「8月27日イベントの前日に緊急事態宣言が愛知県に発令されてしまいました。イベント当日を翌日に迎え、全ての準備が終わっていたタイミングでした。そのタイミングで イベントを中止や延期にする事が物理的にできませんでした。蔓延防止重点処置地域になった時点で チケットの販売を止めるという事が その時点でできる大きな対策の一つでした」と、然るべき判断ができなかったという。
8000人を超える観客が来場したイベント当日は、ソーシャルディスタンスは守られず、常に密な状態に。
主催者側としては、その対策として アーティストの入れ替わりの全ての間にナレーション付きの注意喚起の説明を流し、会場のメイン大型画面でも呼び掛けていたそうですが、十分な 感染対策には至らなかったと思われます。
「フロア地面には1メートル間隔のソーシャルディスタンスシールも貼っていました。途中改善されない状況を重く捉え、司会からの強い注意喚起として マスクをしないとイベントが中断になってしまうとの事も促してはいましたが、結果として、大規模な音楽イベントの感染予防対策に対する認識の甘さが全国の皆様に多大なご心配をかけてしまった事を心より深く反省致しております」と、重ねて謝罪し、「今回の出演者はイベント制作には一切関係ありません。全て制作会社の弊社に責任があります事、よろしくお願い申し上げます」と結んでいました。
同イベントに参加したヒップホップアーティストのZeebra(50)さんも 30日、自身のツイッターを更新。
「昨日のNAMIMONOGATARI、県のルールに則ってると聞いていたので出演しましたが、開けてみたら危険な状況でした。会場に向かう最中SNSで 会場の写真を見て、すぐにスタッフに連絡をし、司会からマスクの着用を徹底させる様に伝えました」と経緯を説明。
国民の皆さんに多大なご心配とご迷惑をお掛けした事、ヒップホップシーンを牽引する立場として責任を感じてます。誠に申し訳ありませんでした。
— Zeebra (@zeebrathedaddy) August 30, 2021
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続けて「自分の事務所スタッフは消毒液を配布しながら会場を回り、自分のステージでも注意を促しましたが、そもそも出演すべきでは無かったという意見もごもっともだと思います」とし、「国民の皆さんに多大なご心配とご迷惑をお掛けした事、ヒップホップシーンを牽引する立場として責任を感じてます。誠に申し訳ありませんでした」と謝罪。他にも出演した人気ヒップホップアーティストらの謝罪も相次ぎ、投稿には「アーティスト達や その家族まで叩かれるのは違うと思う」など様々な反応が上がっているという。
やったもん勝ち、を狙った!? 「イベント全体が悪」ということになってしまう可能性も…
今回のこの報道には 近畿大学総合社会学部社会・マスメディア系専攻 准教授 岡本健氏からも コメントがよせられました。
《フェスのお客さんや観光客など、「コントロールが効きにくい主体」を大量に集めるイベントは、感染拡大状況で開催すべきではありません。こうしたイベントは、主催者としては、お客に「呼びかける」くらいまでしかできず、実効性のある対策が取れません。確実にソーシャルディスタンスを取れる環境にしたり、入場制限をしたり、といった具体的、実効的な工夫で感染対策ができるイベントは開催できると思いますが、今回のような事案が頻発すると、「イベント全体が悪」ということになってしまう可能性もあります。
長引くコロナ禍で、本当にピリピリした状況が続いていますが、場所によっては警戒感が薄れてしまっている状況もあります。今は冷静に、そして、抑制的に、慎重に、ふるまっていく時期かもしれません。また元通りにフェスを楽しめる環境になると良いですよね》
その他にも多くコメントがよせられているようでしたが…
《もうやったもん勝ちになってる。裏にいるスタッフがまずマスクをしていなかった時点でルールを守る気がないし、観客に注意する気もないのが伝ってくるのですが。さていったい 9月の横浜アリーナはどうなるんでしょうかね 》
《友人の看護師はメチャクチャ憤ってました。彼女はコロナ病棟ではないが、コロナ病棟に人を割かれて一般病棟も通常のオペレーションがマヒしており、医師看護師とも疲弊が極限状態、いつ誰が倒れてもおかしくないとの事。コロナ患者を受け入れている今の日本の病院は、ほぼこんな状況らしい 》
《ものすごく認識が甘い。ただ他の音楽フェスの全部が認識が甘いわけではないし、正直客層もフェスによって様々で、家族連れが多いフェスなんかは本当に穏やかで規則も守ってる。ひとくくりにするのは違う。こういうことをすると、音楽業界全体の足を引っ張ることになるし、これみよがしにひとくくりにして叩きたがる人達に餌を巻くことになる。主催者も参加者もよく考えてほしい 》
《誤解を招くかもしれんが、フェス等はある程度ハメを外して騒ぐから楽しくていくのだろう?反対にそうでないと行く意味がないかも。つまり現状のコロナ渦ではなかなか大規模なフェスの開催は難しい。すごく感染対策考えた方式にしないと。当面は従来の方式は無理だろう.. 》
《参加したスタッフ、出演者、客、全てを2週間隔離します。くらいして頂きたい。県民だし常滑には親戚もいるし本当に迷惑。やった後に謝罪(だけ)するのは簡単でいいね。開催して儲けて、でも後の責任は取らないんでしょ。やったもん勝ち、を狙ったよね… 》
《世の中、ごめんなさいで済むことと済まないことがあると思う。これでhiphopどころかエンタメ系全般の興行の行方が不透明になった。施設会場の使用許可に対する判断への目が厳しくなってしまった。日本の興行界全体が潰れかねない事態になってるんだがどうするのか…》
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