ジャーナリストの伊藤詩織氏(30)が、元TBSワシントン支局長の山口敬之氏(53)に性的暴行を受けたとして1100万円の損害賠償を求めていた裁判で、
東京地裁は18日、「性行為には合意がなかった」として山口氏に330万円の支払いを命じる判決を下したことが明らかになっています。
セクシャルハラスメント(性的嫌がらせ)告発運動「#MeToo(私も)」が世界的に広がった中、
セクハラや性的虐待に抗議する動きがなかなか根付かない日本において、伊藤氏は自ら被害を名乗り出ました。
それによって日本の#MeToo運動の中で伊藤氏は象徴的な存在となり、裁判では大きな注目を集めていました。
18日の判決によりますと、伊藤氏は安倍晋三首相と近しい関係にある山口氏に就職の相談を持ちかけたことをきっかけに2015年4月、
東京都内の飲食店で飲酒。その後、ホテルに入りました。
地裁は、伊藤氏が当時、強度の深酔い状態にあり、自らの意思でホテルには行っていないとしました。
さらに、その日のうちに産婦人科を受診。
数日後には友人や警察に相談していることを挙げ、合意のない性行為だったと認めました。
一方で、山口氏は「同意があった」と反論し、一切の不法行為を否定。
伊藤氏に1億3000万円の損害賠償を求めて反訴していました。
しかし、地裁は、伊藤氏が意識を回復した後も、
山口氏が体を押さえつけて性行為を続けようとしたと指摘しつつ、「信用性に重大な疑念がある」と退けました。
東京地裁の前で「勝訴」と書いた紙を持った伊藤氏は目に涙を浮かべながら、
「私たちが勝訴しました。あちら側の反訴もすべて棄却されたとのことです」と述べました。
東京地検は16年7月、準強姦(ごうかん)容疑で書類送検された山口氏を容疑不十分で不起訴処分とし、
検察審査会も17年9月に不起訴相当と議決しているとのことです。
これらの一連の報道について、ネット上ではこんな意見が寄せられています。
「詩織さんは強かった、ふつうだったら泣き寝入りだしあれだけのバッシングには耐えられないよ。
山口氏は余罪ありそうだね。」
「酒なのか、薬なのかわからないけど、男性側が恋人でも無い人と性行為したのは認めており、女性側が意図していなかったと主張していて、今までに複数の人とそういう関係をしていた女性でないのであれば、男性側が慰謝料払うのは当然だと思います。」
「在職中の事案だから報道局に一切責任が無いとは思わんが、しっかり本件を放送するのは報道局としてちゃんと仕事してるなと思う。」
などのコメントが寄せられていました。