ジャーナリストの伊藤詩織氏が元TBSワシントン支局長の山口敬之氏に性暴力被害を訴えていた裁判で、
東京地裁は今月18日、山口氏に330万円の支払いを命じる判決を下しました。
この判決を受け、元TBS記者のジャーナリスト・山口敬之氏が同日、控訴する方針を明らかにしました。
山口氏が裁判後の同日午後、都内で会見を開きました。
山口氏は「今回の判決は、一方的に伊藤さんの主張だけが、根拠なく取り入れられてしまった」と主張。
弁護人もこれを受け、「山口さんにとって、納得のいかない判決ではないかと思います。客観的な証拠との整合性について、もう1度、判決を精査して控訴審に臨みたいと思っています」と控訴する考えを明らかにしました。
また、会見に同席した文芸評論家の小川榮太郎さんは、
「曲学阿世、邪悪そのもの。そういう感じをまったく禁じ得ない驚くべき判決でした」と語りました。
山口氏はこれまで会見を開かなかった理由についてもまず説明しており、
「私は今まで、伊藤さんが一昨年5月に記者会見されて以降、会見の要請を一部、いただいていましたが一切していませんでした。弁護士の指導を受け、訴訟に集中すべきだと。訴訟外で発信するのは、訴訟遂行上、好ましくないという判断を尊重した」
とその理由を説明。
その上で「沈黙している間に、さまざまな報道が国内外であった。(米国の)ニューヨーク・タイムズ、(英国の)BBCが、伊藤さんの主張を一方的に報じている」と主張。
「報道、風評が世界的に流布されると思っていなかった。それが今回の判決に、なにがしかの影響を与えたのではないか? 分からないけれど、残念に思っているところがあります」と険しい表情で語りました。
さらに山口氏は、控訴する方針を述べた後、控訴する理由について次のように語りました。
「私は法に触れる行為は一切していません。私たちが客観的な証拠で伊藤さんの矛盾点を主張したが、検証されることなく、事実認定がないまま、判決では無視されています。高等裁判所の控訴審では、強く訴えていきたいです。」とし、
「刑事事件の捜査の段階で、警視庁の担当者は、山口さんの言っていることも、伊藤さんの言っていることも矛盾しないんだ、その主張をブリッジするのは、アルコール性健忘だと。伊藤さんが一度、深夜に目を覚ましましたが、記憶が飛んでしまったということで、刑事事件は不起訴になりました。検察審査会でも不起訴相当と出ています。それについても、判決で触れられていないのは、不服とするところです」
また、山口氏は名誉毀損だとして慰謝料など1億3000万円や謝罪広告を求めて反訴していましたが、
「公共性および公益目的がある」として棄却されたことについても、控訴すると明らかにしました。
訴訟で伊藤氏は2015年4月、就職先の紹介を受けるため山口氏と会食した際に意識を失い、ホテルで性的暴行を受けたと主張。
山口氏は、合意に基づく性行為だったと反論し、伊藤氏による著書の出版などで自身の社会的信用が低下したと訴えていました。
伊藤氏は実名を公表して性暴力問題の深刻さを訴える著書を17年10月に出版するなどし、
日本での「#MeToo」運動の広がりに影響を与えていました。
これら一連の報道に、ネット上ではこんな意見が寄せられています。
「この状況での同意は無理だろう?意識が薄い中なら無理矢理にしか思えない。控訴は断念すべき。」
「往生際が悪いな。控訴しようが事実関係は覆らないから無駄
長引かせれば長引かせるほどこのニュースが取り上げられてメリットなし
強姦魔として生きてく覚悟を持つしかないな」
「まあ、そうくるわな。タクシー運転手の証言から、自力で歩けないほど酩酊していたと思われる女性に対して、本当に本人の同意を得たと思えるところがすでに病気。仮に同意があったとしても、自分のほうが立場が強いことを自認しながら同意を求めること自体、最低の行為です。どうせ司法に圧力をかけてもらうようにお友達にお願いするのでしょうが、あなたがしたことが最低の行為であることは変わりません。まずは性行為をしたことについて、家族や彼女に詫びたらどうですか?何が「彼女をなだめる気持ちで性行為に応じた」ですか。本当になだめるつもりなら、性行為は絶対にしない。」
などのコメントが寄せられていました。