「やばいっ!」電話切れた息子探す母
「息をしている状態で見つけ出してあげたい」スコップを手に、土砂を一心不乱に掘りおこす女性がいました。土砂崩れと濁流で、大きな被害が出た広島市安芸区矢野東7丁目付近。現在行方不明の広島市立工業高3年の植木将太朗さん(18)の母親でした。
将太朗さんは6日の夜から行方がわかりません。
「やばいっ!」
息子の将太朗さんは6日、学校の期末テストを受け、昼過ぎに祖父が運転する車で自宅に帰宅しました。この日はテニス部の練習も雨で中止になっていたようです。
午後7時半ごろ、仕事を終えた母親は豪雨の中、車で長女と自宅に向かっていました。その日はあまりにも雨がひどく、車を止めて、将太朗さんに「じいちゃんの家に避難してね」と電話で伝えると、「わかった」と返事がありました。祖父の家は数十メートルしか離れていませんが、自宅より山から遠い場所にありました。
その後、2~3分後に将太朗さんから再び電話があり、「まじでやばいよ」と…。その電話の先には激しい雨音と、混乱した将太朗さんの声が聞こえました。母親が「何が?」と聞き返すと、将太朗さんの「やばいっ!」という叫び声とともに、電話が途切れました。母親は何度も電話を掛け直しましたが、応答はありませんでした。
「この近くに将太朗がおる」
母親はその夜から眠れていません。「将太朗が何も食べられていないのに、私だけ食べることはできない」と、食事もまともにとっていないようです。
一夜明けて7日、知人女性がツイッターで、将太朗さんらしき人が鉄柵に乗ったまま流されているという情報を見つけました。すぐに投稿者に問い合わせると、特徴が将太朗さんに似ていたのです。
その後9日、鉄柵らしきものが植木さん宅の北約700メートルの交差点付近で見つかりました。「この近くに将太朗がおる」。この日から母親は休む間もなく土砂を掘り続けています。将太朗さんの通う広島市立工業高校の教員たち約20人も手伝い、陸上自衛隊も重機で車や倒木などを撤去するが、捜索範囲が広く、思うように進みません。「手伝ってくれる人たちには感謝しかないけれど、一人でも多くの力を借りたい」と母親は願っています。
11日も午前8時ごろから、陸自や警察官ら約30人と教員、同級生ら約40人が、強い日差しのもとで掘り続けました。午後には近くの住民らも加わり、約150人に膨らんでいます。「息子はまだ生きとるけ、必ず見つけ出します。当たり前の日常を早く取り戻したい」と、母親は願っています。
マスコミに怒る声も…
今回、この母親に取材をしたマスコミに対して怒りの声も多く見えました。
・無事を祈る母の気持ちは痛いほどわかる。マスコミは憔悴している母に対して配慮がなさすぎる。
・朝のテレビでひつこくインタビューしていた阿部レポ―タ―、見ていて「もうやめて」と思ったのは、私だけかな?
・このお母さんに日テレの阿部リポーターも食いついてインタビューしてたけど本当に胸糞悪い。今のテレビは報道のあり方が最低だ
ADVERTISEMENT
しかし、マスコミの報道を肯定するコメントも多く見えています。
・記事を読んで 助けてあげたいとボランティアに参加する人も居るだろう。行けないが募金だけでもと思う人いるだろう。マスコミのおかげで、ボランティア活動が増えたのも事実
ADVERTISEMENT ・もちろん被災された方の気持ちを考えるのが第1だけど、こういった記事を見た人がボランティアに出向いてくれたり、少しでも協力出来たらと動くきっかけにもなると思う。
・でもこんな悲惨な状態を伝える事に報道は意味がある。津波の時もそうだったけど、豪雨でこれだけの被害がおきてこんな悲しい事がおきると本気で思った人はどれだけいたのだろうか。おそらく、これらの報道をみて心に残り続けたら次の行動は違ったものになると思う。
ADVERTISEMENT
報道を見ないとわからない現地の状況も多いですよね。ボランティア、募金など自分にできることを私達もしなければなりません。
まとめ
本当に心が痛いです。息子さんが見つかることを心から祈ってます。