全国各地で、親による児童虐待が続々発覚しています。そして今回もまた。今度は札幌市で極めて悪質な事件が発生してしまいました。このような悲しい事件が起きてしまった今、この事件の詳細を知る北海道警察、そして札幌市児童相談所は一体どう考えているのでしょうか。
不審なあざ、傷
札幌市や道警によると、6月5日午前5時頃実母から「風呂からあがると、子供がうつ伏せで倒 れ、意識がない」との119番通報が入り救急隊員が出動したとのこと。児童に不審なあざや傷があるため、 救急隊員がその場で110番通報し南署署員が現場に駆けつけました。
児童は、すぐに救急隊員により市立札幌病院救命救急センターに搬送されましたが、午前5時40分頃、死亡が確認されました。道警は5日午後11時43分交際していた飲食店経営の男(24)を緊急逮捕しました。そして、6日午前7時25分飲食店従業員の実母(21)も逮捕しました。いずれも2歳女児への傷害の疑いがもたれています。point 215 | 1
複数回通報、警察も
札幌市児童相談所には2018年9月に「託児所に預けっぱなしで育児放棄が疑われる」という通報が入ったそうです。児童相談所が家庭訪問をしたところ、「児童にあざや傷はなし」という事で終わりました。そして、24時間の託児所に照会したが、在籍の事実はなかったそうです。母方の祖母にも確認したところ「通報のような事実はない」と答えたといいます。point 232 | 1
2019年4月には近所から「昼夜問わず子供の泣き叫ぶ声が聞こえて心配」という通報が入りました。実母に連絡するも繋がらず、すぐに家庭訪問をしたが不在。数日後実母から「交際者宅にいたので不在だった」と連絡があり、その後児童相談所が実母に何度か連絡するも繋がらない状態が続きました。
2019年5月には警察が訪問し、母子と面会しています。その際に子供の身体状況を確認しました。そして「虐待が心配される状況ではなかった」との警察からの報告を受け、児童相談所が虐待の事実がないと判断したのです。しかし、司法解剖の結果、5月上旬から6月5日頃までのあいだ女児に暴行を加え頭部、顔面等にけがを負わせていたことが分かったのです。以前から虐待が加えられていた疑いがあったにも関わらず、なぜ児童相談所が女児を保護をしなかったのでしょうか。point 279 | 1
札幌市は警察の捜査状況を見極めながら、今後、「札幌市子供・子育て会議児童福祉部会」において有識者による検証委員会を立ち上げ、死亡に至る経緯を振り返り、再発防止に向けた検討を行う予定です。
戻らない命
今回の事件についてネット上では「また虐待。確かに子育ては大変だし辛いし我慢する事も多いけど、この母親は母である前に女でいたかったんだなと思ってしまう。男優先にして、どうあっても男と別れたくなかったんだろう」「同じ目にあえばいい。そうしないと、どれだけ怖かったか痛かったかわからないんだと思う。信頼して甘えられるはずのお母さんから暴力を受けるなんて辛さは、想像もできない。」「どうして自分の子供に痛みを与えられるのか理解できない。抱きしめてあげたい。辛すぎる」と親への批判が多く上がっています。そして、大人の勝手すぎる都合で失われた命を悲しむ声も多く上がっています。point 380 | 1
児童相談所がもっと早く女児を保護していればと思うと本当に無念でなりません。第三者委員会でいくら検証されようとも、幼い命はもう戻ってこないのです。「人命を軽んじてはいないか?」というこの疑問が払拭できないままです。