2日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)で取り上げられた国体剣道の八百長疑惑と剣道連盟の説明について、世間では驚きと批判が広がっています。これに対して、出演者のマツコデラックスさんも言葉が出ない様子です。日本の代表的な武道の一つですがこんな事があっていいのでしょうか。
見えない力
事の発端は番組視聴者から「剣道国体の結果がちょっと怪しいので調べてほしい」と、調査依頼があったことでした。調べてみると確かにそれは事実で、数十年前から「成年男子・成年女子・少年男子・少年女子」の殆どで国体開催地が優勝しており、八百長疑惑が浮上しているのだというのです。真相を探るべく、番組スタッフは全日本剣道連盟理事に話を聞くことにしました。
スタッフは国体の結果が記載されたフリップを手に、「これは八百長があったとかではなく?」と突っ込んだ質問を行いました。これに対し理事は「ああ、そういうことは一切ないです」と否定し、判定の難しさを力説しました。
しかしスタッフは、「開催県に対しての忖度では?」と食い下がり再質問。すると理事は、「そういうことは一切ないです。国体の開催県が決まるのが7年ぐらい前。開催県の剣道連盟は5年前から強化が始まる。今年の茨城県も5年前から強化している」と説明し、八百長説を否定しました。
続けて理事は、「確実に開催県が試合をやったときには、開催県の目に見えない剣道に必要な能力というものを、フルに彼らは発揮しますよ」と説明しました。この発言に村上信五さんは「うん?」と疑問の声を上げます。さらに今年の国体について理事は、「茨城県が4種別優勝できるかどうか、ここがポイントなんです」と話しました。スタッフが「それって茨城県が優勝するって言ってるようなもんじゃないですか」と返すと、「どっかの種別で必ず優勝します」と断言。「必ずっていうと八百長と思われちゃいます。必ずはダメですよ」と諭すと、「必ずに近いほどですよ。いやいや勉強になりました」と高笑い。
結局番組は、剣道国体で開催地が優勝することについて「開催地がプライドにかけて見えない力を発揮するから」と結論付けたのです。このVTRを終始無言で見守っていたマツコさんは小声で「これオンエアしちゃっていいのかな…」と呟きました。理事は笑っていましたが、「異常」と取られても致し方のない論理だっただけに、マツコさんは「ヤバさ」を感じたようでした。
批判と事実
八百長は否定したものの「開催地は見えない力を発揮するから優勝する」と発言した剣道連盟に、視聴者からは「異常すぎる」「炎上案件」など、批判が殺到してしまいました。
ツイッターでは「夜更かしで剣道連盟の方が、国体で八百長やってる旨の発言をしてましたが、このご時世大丈夫なんでしょうかね。シャレにならないと思いますが…」「月曜から夜ふかし視聴中。これはダメでしょう。剣道連盟会長の発言。『国体開催県は、4種別のうちいくつか、もしくはすべて優勝する。必ず。』と。完全に八百長。しかもまったく悪びれもせず、ヘラヘラと発言している。
体育会系って、やっぱりバカなんだね」とやはり批判的。
しかし一方で、競技者と思われる視聴者からは、「茨城で剣道やってるけどほんとに判断が難しい競技で直前の気合いひとつで合い面決まったり決まらなかったりする。開催県の強化も効果出てると思うんだけどなぁ。茨城国体楽しみにしてます。」「連盟のことを言うのは勝手だが剣道やってる人のことも馬鹿にするようなツイートはやめてほしい。毎日色んな思いしながら稽古している人が居るってこと忘れるなとても気分が悪い。今年は茨城、女子は守谷高校がいるから優勝しても怪しくなんてない。知らない奴らが騒ぐのだろうけど」「開催県のメンバーは強化されて確実に試合時には強くなってます。こんな強かったの!?って驚くくらい。開催県だから、メンバーもより気合を入れて戦います。その結果優勝が多いって訳です。夜ふかしの嫌味な言い方だけ見て『剣道クソじゃん』とか言うのはやめてください。」という声も上がっていました。
真相はいかに
剣道連盟が「八百長ではない」と否定しているうえ、競技者と思われる視聴者から「開催地が強化をしているのは事実」という声がある以上不正行為はないと思われる国体剣道。しかし結果が偏っていることや、アマチュアボクシングで特定地域への意図的な贔屓とも思える判定が問題になったことがあるだけに、疑念を抱く人も多いようです。放送後剣道連盟への批判は高まっており、「八百長」と感じている人も多い様子です。開催地の強化への取り組みと結果への因果関係について、詳細な説明が必要になっているのではないでしょうか。