6月1日、長男を殺したと自主し、6月3日激しいフラッシュの中で送検されたのは、農林水産省の元事務次官・熊沢英昭(76)容疑者。自宅で44歳の長男、英一郎さんを包丁で刺し、殺害したとして逮捕されました。英一郎さんの死因は首を切られたことによる失血死とみられ、刃物による刺し傷は数十か所に上ることが判明しています。
体に残された刺し傷および切り傷が数十カ所にのぼっていたことから、警視庁は容疑者が息子に対して強い殺意があったとみて調べを進めています。殺害された英一郎さんを知る人は、「英一郎さんは働いてなかったと思います。服装は会社に行っているような感じではないですね。」と話しています。
警視庁によると、十数年前に1度家を出て1人暮らしをしていたという英一郎さんですが、現在は無職で、ほぼ引きこもり状態だったといいます。彼が膨大な数のツイートを残していたTwitterのアカウントには、官僚トップだった父親を自慢する投稿も多く残されていました。その内の1つには「2018年5月 支払い予定分のご利用明細合計32万3729円 これが今月の私のクレカの支払額だ。君達の両親が必死で働いて稼ぐ給料より多いんだよw」という内容もありました。
またその他にも「庶民が、私の父と直接会話なんて、1億年早いわヴォケ!!」と投稿しているものあり、またオンラインゲーム上で英一郎さんと2年間交流があった女性は、「何か困ったことがあれば、私に言ってくれれば父の権力でどうにかすることはできます」と言われたそうです。しかし母親に関しては、「だから中2の時、初めて愚母を殴り倒した時の快感は今でも覚えている。」という内容を投稿しており、父親に対する思いとは相反しているように見えます。
これに対し、社会学者の古市憲寿さんはこの事件について、「ここのところ始まったわけじゃなくて、家庭内暴力は昔からあったことですから。ただ、やっぱり避けられた事件じゃないかなと、どうしても思ってしまうんですね。これまでは仕事をしていないとはいえ、ゲームやったりツイッターやったり、普通にある種社会と交流を持ちながら暮らして来たわけで。もうちょっと早い段階で、それ以外の外部との接触ポイントを作ってれば、ここまでお父さんが思い詰めなくてもよかったんじゃないかなって思ってしまう事件ですね」と分析しています。
悲しくも感じる痛ましい事件に世間からの注目も高いですが、周りからみていても家族しか真相はわからないのではと思います。