若年性認知症になる人の6割以上が、すでに10代の頃から認知症のリスクを持っているようだという調査結果がスウェーデンにて発表されました。
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国際アルツハイマー協会の報告によりますと、認知症は全世界で推定3,560万人以上の患者がいると報告されており、公衆衛生上の主要問題のひとつにもなっています。日本だけにとどまらず、世界中で高齢者の増加に伴い、今後ますます増えることが懸念されており、2030年には6,570万人、2050年には1億1,540万人に達することが予想されるといるそうです。
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そもそも若年性認知症とは、65歳未満で診断された認知症のことです。働き盛りで発症することが多いので、本人にも周囲にも与える影響が大きいため、予防や早期発見が重要となりますが、症状の個人差が大きいことがそれを難しくしているみたいです。老年性認知症に比較して遺伝的な要因が大きいともいわれますが、はっきりしたことは未だわかっていません。そこで今回、研究チームは、1950-1960年に生まれた約49万人のスウェーデン人男性を対象に、18歳で受ける徴兵検査のデータと37年間にわたる追跡調査のデータから、若年性認知症の発症に影響を及ぼすリスク因子について検討を行うことにしました。対象者のうち487名が追跡期間中に若年性認知症を発症したことが明らかになり、平均発症年齢は54歳でした。また、データ解析の結果、認知症の発症に影響を与えたリスク因子として、つぎの9つが明らかになったといいます。
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(1)アルコール依存症であると、そうでない場合に比べて、リスクは4.
82倍に高まった。同様に、(2)脳卒中を起こしたことがあると2.
96倍、(3)抗精神病薬を使用していれば2. 75倍、(4)うつ病なら1. 89倍、(5)父親が認知症だったら1. 65倍、(6)薬〇依存症なら1.54倍、(7)認知機能が1単位下がるごとに1.
26倍、(8)身長が1単位下がるごとに1. 16倍、各々高まった。そして(9)最高血圧は1単位下がるごとに0. 90倍と逆に低下した。いずれも18歳の時点での話です。
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今回若年性認知症を発症した患者の68%が、これら9つのリスク因子の少なくともひとつ以上をもっていたそうで、リスク因子を2つ以上もっている場合にはリスクは約10倍に上昇し、さらに認知機能テストの成績が下位にあった場合には、若年性認知症を発症するリスクは20倍以上になったといいます。18歳の時点でリスク因子を複数もつ男性は、若年性認知症を発症するリスクが劇的に高まる可能性が見えてきました。非常に特別な注意が必要となるでしょう。父親の認知症や低身長といった特徴は、自分ではどうにも改善しようがありませんが、アルコールや薬〇依存はもちろんのこと、血圧、うつ病、脳卒中なども努力すればある程度は予防することが可能であるので、若年性認知症の予防の決め手になりうるのではないか、と研究チームでは結論付けています。
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