都道府県女子駅伝で17人抜きの快走を魅せ、「陸上界に天才女子中学生ランナー現る」と話題になっていた、天才女子中学生ランナー・ドルーリー朱瑛里さんが悲痛な決断をしました。出場を予定していた全日本びわ湖クロスカントリー大会と全国中学生クロスカントリー大会を合わせた「BIWAKOクロカン2023」への出場辞退を大会2日前に発表しました。
代理人弁護士を通じて、「クロカンは走ったことがなく、挑戦したい気持ちで申し込みをしましたが、先日の晴れの国駅伝を経験して、報道の方々への対応や、周りの方々からの撮影や声かけの対処にとても不安を感じましたので、やむを得ず琵琶湖クロカンには出場しない決断をしました」と発表されています。
欠場理由としては、異常な程に加熱していたマスコミの取材攻勢と、過激化していたファンの対応だといいます。ドルーリーさんは、先月15日の全国都道府県対抗女子駅伝の3区で区間新記録となる9分02秒で17人抜きを見せたことで、注目され環境が一変しました。先月29日、岡山で開催された「『晴れの国 岡山』駅伝競走大会」に出場して3区で9分40秒の区間新を出しましたが、これまで地元メディアしか取り扱わないようなローカルな大会に全国からマスコミが殺到して、15歳の少女を困惑させました。point 293 | 1
「都道府県対抗駅伝後の環境の変化で、練習が以前のように自由にできなくなり、過度な報道で精神的にも疲れることが多かったです」とも話しています。また、彼女の様々な情報が掘り下げされ、「自分が発言していないのに、学業や趣味など陸上以外の事も大きく報道されて戸惑いました」といいます。
ドルーリーさんは、声明文で「一部の雑誌記者は近所や関係者に取材し、同級生の自宅も調べて取材に行ったようです」という事実を報告し、「私のために、周りの方々に迷惑をかけることはしたくありません。過度な取材は今後控えていただきたいです」と訴えました。
さらに障害となったのが一部ファンの暴走行為でした。
ドルーリーさんは、「YouTubeやTikTokには、たくさん私の動画が上がっています。応援の思いも込めて動画をアップしてくださっているのだと思います。気持ちはとても嬉しいのですが、私の肖像権を無視して動画等をインターネットに上げる行為はやめていただきたいです。また収益目的で名前と画像等使用することもやめていただきたいです。今後もっと無断で撮影される事が増えていくのではないかと考えると、とても不安です」と綴っていました。point 249 | 1
また、ドルーリーさんは、これまで「インターハイで勝ちたい」と目標を公言しており、この日の声明文でも「高校生になっても、陸上は続けていきます。もっと記録を伸ばせるように、努力しようと思っています」と明かし、「私は可能な限り普通の生活をしながら、陸上を続けていくことを希望しています。そのため、報道の方々、応援してくれる皆さまには、もしどこかで見つけたとしても、動画を撮ったり、声かけは控えて欲しいです。そっと見守っていただけるとありがたいです」と訴えかけていました。point 288 | 1
日本陸上界の宝が陸上競技を断念するまでに至らなかったことは不幸中の幸いですが、今回の訴えは、アマチュアアスリートのプライバシーや人権をどう守り、練習環境をどう整えればいいのか、という問題に関して一石を投じました。
ドルーリーさんは声明文を「琵琶湖クロカンの関係者の皆さまには、色々とご協力をお願いしていたにもかかわらず、急に出場を取りやめる形を取ってしまった事申し訳なく思っています。応援を予定してくださっていた方々にも、申し訳なく思っています。また、次のレースで活躍できるように頑張りますので、その時には影でそっと応援をしていただけたら嬉しいです。ありがとうございました」という言葉で最後を締めくくっていました。
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