今では色々なハラスメントがあります。世間一般で有名なのはセクシャルハラスメントです。セクシャルハラスメントとは性的な嫌がらせであり、立場やシチュエーションを悪用して、弱い立場に置かれた部下や友達を性的に辱める行為です。一方で近年話題になって来ているのがモラハラです。テレビのワイドショー等でも、普通に使われるようになりました。芸能人の夫が妻に対してモラハラを繰り返していた等といった風に使われます。
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モラハラとは正確にはモラルハラスメントと呼びます。世間一般ではモラハラと既に定着しており、今では略語の方が有名かもしれません。モラハラの定義はセクハラよりも広いです。要するに、立場を悪用して相手に精神的な苦痛を強いる行為であり、実は職場や学校いった公共の場ではなく、家庭内で多く発生しています。
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セクハラやパワハラとは対照的に、言わば閉鎖的な空間でもある家庭内で発生しているのがモラハラの特徴です。主なケースとして最初に挙げられるのが「パートナーからの暴言」です。自分に落ち度がないにも関わらず、パートナーが完全な憂さ晴らしで悪口を一方的に言ってきたり、完全な八つ当たりで以前の失敗について蒸し返し来たりと、そういった行為は、精神的な嫌がらせに該当します。またたとえ事実であったとしても、執拗にパートナーの欠点や失敗について叱責する事は精神的な苦痛となり、更に子どもたちや両親の前で悪口を浴びせられたら、そのダメージは倍増します。
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次によくある家庭内でのモラハラですが、相手を執拗に追い詰める「正論」で批判する事です。正論とは論理的に正しい意見の事ですが、状況に応じては、ただの精神的な嫌がらせになります。
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例えば子供がテストで悪い点を取った時に母親が「あなたは好き嫌いが多いから、学校の勉強が出来ないの、これからは野菜もしっかり食べない」といった風に叱責する事です。もっともらしい正論に一見に感じられますし、母親自身は本当に子供の健康と学力を心配しているはずです。
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しかし、子供の目線からすると、テストの事と食事の事はまるで無関係であり、本当は試験前日に寝不足や精神的な疲労で本来の力が発揮出来なかったという事実があるのに、ただただ強い立場にある母親から、もっともらしい正論で批判されたら、それは効果的なお説教ではなく、単なるモラハラになってしまいます。正論とはあくまで理屈が整っているだけでの意見に過ぎず、使うシチュエーションを間違えれば、ただのモラハラに繋がりやすく、いわゆる真面目な教育ママがそういった行為に陥りがちです。