東京五輪の開会式で、タレントの渡辺直美さんにその容姿を侮辱する演出案を提案し、演出責任者を3月に辞任した佐々木宏氏(66)。8月8日に実施される閉会式を巡っても、演出責任者を務めていた当時、天皇陛下に○×クイズへの参加を求める演出案を作成していたことが、「週刊文春」の取材でわかりました。
佐々木氏が作成した閉会式用のプレゼンテーション資料を紹介していきます。
資料の表題は、〈TOKYO2020 OLYMPIC GAMES CLOSING CEREMONY PLAN〉。昨年10月27日付で、全97ページ。東京都の小池百合子知事へのプレゼンテーション用にまとめられたものだといいます。
資料の31ページ目には、次のような記述があります。
参考として貼り付けられているのは、日本テレビの人気番組『アメリカ横断ウルトラクイズ』の画像。○×クイズは東京五輪に関する質問で、全部で5問。例えば、以下のようなクイズが出される予定でした。
Q3 東京2020のメダルは携帯電話などの都市鉱山からできているが、全てのメダルを作るのに使われた携帯電話を敷き詰めるとこのスタジアムより広い。○か×か
新国立競技場のフィールドに「○」と「×」のエリアが設けられ、オリンピック選手たちは正解と思うエリアに移動。観客やVIP、そして天皇陛下は、表が「○」、裏が「×」の紙を掲げて回答。視聴者もスマートフォンでクイズに参加できる仕組みで考えられていました。
クイズの解答は全て「○」。5問目の解答が発表された時、5つの「○」が重なり、五輪のシンボルマークを形作っていくという演出内容です。
宮内庁関係者の心情は…
IOCは閉会式には国家元首か、元首が指名する者の出席を定めています。今回、大会の名誉総裁を務める天皇陛下の名代として実際に出席されるのは、秋篠宮さまです。
宮内庁関係者が指摘します。
「天皇陛下にとって五輪やパラは思い入れの深い大会です。閉会式は開会式と比べ、リラックスした雰囲気で行われるとはいえ、選手たちの奮闘を称え、労う大事な舞台。にもかかわらず、軽い調子で○×クイズへの参加を求めるという計画が都知事レベルにまで進行していたというのは、唖然とせざるを得ません」
このプランがもし閉会式で実行されていたら…。また国民の反感を買うことになっていたのでしょうか。