新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、マスクの需要が増え、品薄が続いています。そんな中、少しでもマスク供給の支えになろうと各地域産業での取り組みが始まっているようです。
水着用の生地を使ったマスクの製造⁉
新型コロナウイルスの感染拡大に伴うマスク不足を受け、福島県二本松市の縫製会社「富樫縫製」が、水着用の生地を使ったマスクの製造を始めました。
同社は これまでマスクを製造していなかったが、地域住民や従業員からマスク不足の声を聞き、富樫三由社長(71)が決断しました。同社は、本来は 水着やスポーツウェアを製造し、生地の大半を中国からの輸入に頼っていましたが、2月中旬から入荷が減少。
困っていたところ、経済産業省からマスクの製造を打診されました。同社には、昨季の色とりどりの水着用生地が残されており、「洗って繰り返し使えるのでマスクに最適」と引き受けました。1日1000枚の製造を目標にします。
一部のc製造ラインを一時ストップし、二本松市の本社工場と福島工場に生産ラインを設けて一日三百枚を製造する予定。布製で洗って繰り返し使うことができる。内側はポケット状で、フィルターやガーゼを挟むことができる仕様にしました。来週には 一日千枚ほどまで製造枚数を増やすということです。
JR安達駅隣のショールームで1枚330円(税込み)で販売を始め、インターネット通販も行います。せきやくしゃみが飛び散ることや花粉を防げるという。
「少しでも困っている人の助けになれば…。世の中の役に立つうえ、生地の廃棄もなくなり一石二鳥、地域住民の健康のために今後も力を尽くしたい…」と 富樫社長は 話しています。
富山市の寝具店でも 店で扱う布を使って…
また、富山市の寝具店でも、店で扱う布を使って繰り返し利用できるマスクの製造を始めました。
富山市室町通りで寝具の製造販売を行っている「ねむり屋」です。マスクが品薄となっていることを受けて、先月28日からマスクの製造を始めました。
きっかけは、社長の大郷卓也さんが、自社の商品に使っている綿と布団や枕に行う抗菌消臭加工を組み合わせてマスクを作ろうと思い立ったことです。綿100%で、洗濯しても抗菌効果が続くため、繰り返し使うことができます。
現在、急ピッチで製造を進めていて、販売を開始する予定の4日以降は、1日に500個のペースで生産するという。
「日常の会話の中でマスクが全く手に入らないということで、ここは何かできないかなということでこの製品づくりを行いました。薬局とかドラックストアさんがマスクを安定供給できるまでは作っていきたいと思っています」 と 大郷卓也社長は語ります。
このマスクの販売は、大和富山店や「ねむり屋」のホームページでは4日から、また 今月10日からは「ねむり屋」の店舗でも販売するとのことです。