国民生活安定緊急措置法の一部が改正され、3月15日よりマスクの転売が禁止されました。具体的には、小売店舗やECサイトなど不特定の相手に販売する者から購入したマスクを、購入した金額よりも高い価格で、インターネットや店舗などを通し、不特定または多数の者へ転売することが禁止とされたのです。
これまでにマスク転売で一儲けしたという、転売を専門にする業者「転売ヤー」に話を聞きました。
「法律で規制されたことによってかなり転売は減ったと思います。僕自身、規制される前に全て売り切ってしまっていたのでよかった。規制後も在庫を抱えていた転売ヤーは、ペンなどを出品し、そのおまけとしてマスクを付けるなど、あの手この手で売り切ろうとしていますね。それでもフリマアプリの運営側にバレるとアカウントがBAN(使えなくなること)されてしまうので、複数のアカウントを持っている人たちがやっているイメージです。」point 309 | 1
転売が規制されてひと月以上経ちますが、いまだに必要とする人たちにマスクが行き渡るようにはなっていません。そんな中、法の抜け穴をうまくつき、マスクをネットではなく街中で、1枚100円以上の高額で販売しているケースが散見されます。
「都内の商店街などにある週貸し店舗などで、マスクが売られているのを見かけます。価格も様々ですが、1枚100円くらいが相場になっていて、枚数を多く買うと値引きされ、75円ほどになる。
これらの人たちは、自ら中国の工場など製造元から仕入れて販売しているのです。法律では個人などが小売店で購入したマスクを転売する行為は禁止していますが、製造元から仕入れをして販売する行為は規制されていない。また高めの価格設定も『仕入れ値が高かった』という言い訳ができるんです。」point 400 | 1
こうした高額マスクの店舗販売が広まる一方で、別の転売ヤー・A氏は「マスクの次に狙っているものがある」と話します。
「マスクは、独自入荷できて販売できる実店舗を構えている人がやるというのが、今の流行りですね。中国からマスクを仕入れるのは簡単ですし、代理店はいくらでもある。ですから、アパレル店やタピオカ店などがマスクを仕入れて売っているのです。point 225 | 1
私は実店舗を持っていないので、マスク以外でネットで売れるものをどうやって大量入荷するか、それを日々模索しています。1番は『手ピカジェル(アルコール手指消毒剤)』がマスク以上に良い商品ですね。フリマサイトなどでは定価の約3倍で売れています。こういった消毒液は私たちのチームでは見かけたら購入し、メルカリやAmazonで販売しています。
また、消毒液の入荷が少ないのは医療関係者へ渡っているからという噂もあり、今はそのルートからなんとか仕入ができないか、医療関係者へ手を回している最中です。医療関係者からですと、『N95 3M』というマスクを少数ですが譲ってもらい、中国へ流したりもしていました。」
ホットケーキミックス?お得なやつは売り切れです。 pic.twitter.com/QZM4iXQg7m
— つらら (@kumi0615) April 20, 2020
コロナ禍の転売市場で高額取引されているのは、衛生ケア用品だけでないようです。
「実は、ホットケーキミックスがスーパーやコンビニなどで売り切れになり始めました。これは、家で過ごす時間が多いため主婦らが子供のためにお菓子作りをすることが多くなり、売り切れている。Amazonも在庫切れになり、私は1つ約400円の利益が出るように販売しています。またこの流れでバターなどが売り切れになるスーパーもあります。」
・冷食やパスタ、マスクに消毒薬。色々な物が買いにくいけれど、まさかホットケーキミックスまで‼️売り切れだし……しかも個数限定されてるし‼️外出自粛でお菓子作りする人が増えたってことかな。
・ホットケーキミックス買いにスーパーいったら売り切れでした。面倒だけどベーキングパウダー使おうかとおもったけどそれも売り切れでした。パンケーキが食べたいです。
・近隣のスーパー、ホットケーキミックスとバターが品薄でした。強力粉も広告のは売り切れ。家でクッキーやパンでも焼いてるのかな?
政府はマスクの高額販売についても、立入り検査や強制収用など対策を強化する方針を固めたといいます。生活必需品となったマスクを、正規のルート・正規の値段で手に入れられる日はいつになるのでしょうか。