顧客だけでなく、会社の社員や製品にもたっぷりの愛情を注いでいた松下幸之助さん。その幸之助さんが1代で創り上げたかの有名な会社が、世界に誇る日本の大企業「パナソニック」です。幸之助さんが会長職に退いた後には、パナソニックをさらに発展させるため娘婿である松下正治さんが2代目社長として任命されました。正治さんには実の息子さんが2人いますから、今後も後継ぎには困らないだろうと思われていたのですが・・・内情はそれほど簡単な事にはなっていないようです。
松下幸之助は松下正治を後継者として認めていなかった!
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2代目社長の松下正治さんといえば、華麗なる経歴の持ち主であることはとても有名ですね。
親族には多くの有名人がいて、
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自身も東京帝国大学(現在の東京大学)を卒業。
大企業となったパナソニックを引き継ぐには、誰の目から見ても申し分のない人材だったに違いありません。
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ところが、正治さんが後継者となることを創業者である幸之助さんは認めていませんでした。
長く一緒にいるうちに、自身の考えと合わないところが見えてしまったんでしょうね。
とは言っても、正治さんは大切な大切な一人娘の婿。
さらに自分の一言が可愛い孫の未来をも変えてしまう可能性があるのですから、自分の口から退任を伝える決心がつきません。
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そこで幸之助さんは、3代目の社長山下さんに正治さんをパナソニックから遠ざけるよう指示するのですが、恐れ多くも創業者の娘婿であり当時の会長であった正治さんに、そんなことを言い出す勇気はありませんでした。
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幸之助さんの意思を受け継ぎ、実際に行動を起こしたのは4代目社長だった谷井さん。
ついに会社のために正治さんに退任を迫ります。
しかし・・・結果は惨敗、自身が社長職を追われるだけでは済まず、共に闘ってきた副社長4人は一掃され、未来のパナソニックを支えると期待されていた多くの優秀な人材も活躍の場を失うことになってしまったのです。
松下正治さんの死が最大のきっかけになった!
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これらの一件を通して正治さんの絶対的な力を見せつけられたパナソニックの社員は、やはり人事で松下家の血筋に勝てるものはないということを痛感するのでした。
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その後幸之助さんの孫である正幸さんも副社長になり、ますますその勢力は拡大されていくかのように思われていました。
しかし、その強引な人事や経営不振・重なるように起こってしまった不祥事の数々にそれまでの不満が爆発し、絶対的な力は徐々にその勢力を弱めていくことになります。
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6代目社長の中村さんは「破壊と創造」という挑戦的ともとれるスローガンを掲げて、本格的な改革をスタートさせました。
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7代目の大坪さんはそのバトンを確実に受け継ぎ、社名を変更するなどこれまでの体制に思い切ったメスを入れていきました。
結果的に赤字に落ち込んでいた売上は回復の兆しを見せ、経営に関して創業家の意見が最優先されることはなくなっていくのです。
写真:四国新聞社
そして決定的だったのが、2012年に正治さんが亡くなったことでした。
正幸さんは現在も副会長としてパナソニックを支えていますが、その影響力は幸之助さんや正治さんに比べればとても小さいと言われています。
これからの人事で世襲が最優先されるとは考えにくく、幸之助さんの想いを強く引き継ぎ鍛え上げられてきた人こそが、パナソニックの中枢に立つのかもしれませんね。
まとめ
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松下幸之助さんが今の世に残してくれたのは、パナソニックだけではありません。私財を投入してまでさまざまな社会貢献をしていた幸之助さんは本当に素晴らしい方です。そして、形は違っても逆境の中で戦い抜き、それまでの功績をしっかりと現在につなげた正治さんも称賛に値する人物でしょう。今後パナソニックの人事が世襲重視であれ実力主義であれ、より良き会社になっていくことを望む人は多いはずです。これからのパナソニックの活動に期待しましょう。