魚人族が話題になっています。
過去、あるオンラインコミュニティに「地球上に実在する魚人族」というタイトルの記事が人気を集めました。
漫画や映画にだけ出てきそうな魚人族が東南アジアの近くの海に実在するといいます。
彼らの正体は、海のジプシーと呼ばれる「バジャウ(Bajau)族」でした。
彼らはインドネシアのジャワ島東部とフィリピンの南部一帯に広がって住んでいる民族です。
どの国にも所属せず、海に設置した水上家屋や筏、船の上などで生活します。
海の流浪民や遊牧民などと呼ばれる理由です。
主に魚を捕って生活し、魚を売って生活必需品を購入します。
生涯海で暮らしているため、陸地に上がると陸上酔いを起こすといいます。
バジャウ族が注目を集めた理由は、驚くべき潜水能力でした。
彼らは木で作られたゴーグルのみをつけて最大70mまで潜水します。
潜水をしている間は息を止めながら、15分間海中で動くことができます。
そのため、全作業時間の60%以上を水中で過ごします。
このような生活方式は、1000年ほど続いていたことが分かりました。
デンマーク・コペンハーゲン大学の地球遺伝学センターの研究チームは、このような極端な潜水が必要な環境が、バジャウ族の身体の進化を導いた、と見ています。
研究の結果、バジャウ族は酸素運搬能力と関係する臓器の脾臓が一般人と比べて1.5倍大きいことが明らかになりました。
また、PED10A遺伝子が変異していて、甲状腺の機能を調節して赤血球の酸素運搬能力を極大化させました。
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