慰安婦問題をめぐり、当時天皇だった上皇さまの謝罪を求めた韓国の文喜相(ムン・ヒサン)国会議長が、上皇さま宛てにおわびの手紙を送ったことを、日韓議員連盟の河村幹事長が明らかにしました。
6日夜のBSフジ「プライムニュース」で日韓議連・河村建夫幹事長は、ムン・ヒサン国会議長と非公式に面会した際に、「(ムン・ヒサン国会議長は)上皇陛下には手紙を出したと、謝罪の手紙を出したというようなことは言ってましたけど。(届いているのか?)出したってことは言ってました。」と、上皇さまに宛てて、謝罪の手紙を送ったと伝えられたことを明かしました。
このあと「1つの区切りをつけたのではないか。議長は日韓関係の改善に政治生命をかけるということで、それに期待するしかない。」と述べました。また、「徴用」をめぐる問題で、ムン・ヒサン国会議長が新たな基金を作りたいという考えを示したことについて「ムン議長は腹をくくっている。議長の言う形で進めば解決するのではないか。」と述べ、問題解決につながることに期待を示しました。
一方で、ムン・ヒサン国会議長の広報担当者は、「全く事実ではない」と否定するコメントを発表しました。「ムン議長は、上皇さまと天皇陛下に、それぞれ、『お疲れ様でした』、『おめでとうございます』という内容の手紙は送ったが、儀礼的な内容で謝罪の手紙ではない。誤解したのではないか。」と伝えています。
ムン・ヒサン国会議長は2019年2月、上皇さまを「戦犯の息子」と呼び、慰安婦問題で謝罪を求めました。
2月7日に行われた米ブルームバーグ通信とのインタビューでムン・ヒサン国会議長は「(元慰安婦への謝罪は)一言でいいのだ。日本を代表する首相か、間もなく退位される天皇が望ましいと思う」と主張しました。さらに、「その方(天皇)は戦争犯罪に関わった主犯の息子ではないか。おばあさんの手を握り、申し訳なかったと一言言えば、問題は解消されるだろう。」と語ったといいます。
国会報道官は「他の同席者にも確認したが、ムン・ヒサン国会議長は(天皇に関し)『戦争犯罪』という表現は使っておらず、『戦争当時の天皇の息子』と述べたと思う」と記事が引用した文氏の発言を一部否定しました。「天皇が訪韓の意思を明らかにしており、元慰安婦の手を握って謝罪すれば、心のしこりが解けるのではないかというのが文氏の趣旨だった」と説明しました。
その後、「わたしの発言により心が傷ついた方々におわびを申し上げたい」と表明したものの、発言は撤回していません。