「トゥナイト2」は1994年から2002年(月曜日から木曜日まで、後に火曜日から金曜日に変更)までテレビ朝日系列局で放送された情報バラエティ番組のことです。実はこの番組は2となっているのは「トゥナイト」が前身に放映されていたからです。2は前身よりも扱う情報量の範囲を広げて、深夜番組の特徴であるお色気という路線を突き進んだ内容になっています。もちろんお色気以外にも、震災の被災地レポートをはじめ、社会的な硬派取材も多くおこなって放送しています。またユニークなところでは、発売直後のゲームを紹介したり、うるう年の特集をするといった文化的な企画を行うこともありました。
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当時を振り返ると発売当初のプレイステーション2を特集した時にはDVDが見られるという機能が注目されているにも関わらず、「トゥナイト2」ではゲーム機本来の機能を紹介するといった気概を見せたりしていました。このようなゲーム機本来の紹介をすることで専門誌から取材を受けるということもあり、その後ゲームソフト発売時も特集を組むなどして取材を行っています。世間の話題に迎合しない企画のスタイルは多くの視聴者に支持されていました。
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「トゥナイト2」が伝説の深夜番組と言われているのはいくつかの目玉コーナーや企画があったからです。この番組に出演していた総合司会に石川次郎氏、アシスタントには雪野智世さんがおこなっていました。特徴的なのは男性リポーターと呼ばれる方々です。これが現在では放映不可能と言われてる企画レポートを次々行っていきました。月曜日は乱一世氏、火曜日は北野誠氏、水曜日は勝谷誠彦(ライター)氏、木曜日は山本晋也監督でした。今ではこのような方々にレポートを依頼するのも難しいかもしれません。
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特に山本晋也監督の企画は新宿歌舞伎町レポートや「ある愛のかたち」などは現在の地上波では流せない内容になっているので伝説と言われています。当時は規制するものが現在と違うということもあり、比較的おおらかに色々な風俗をレポートして放送していました。また山本監督の「カントクの真面目な社会学 ラブホテル〜ある愛のかたち〜」は、クリスマスの日に放送されたラブホテルを探求した企画です。歴史から内装、構造、ラブホテルの仕事に密着、そこで展開される事件簿を報じたものでサブカルチャー的な側面もありました。中でもラブホテルで秘め事を自撮りするのが「ある愛のかたち」というシリーズで一世を風靡したシリーズになっています。これを現在の地上波で放送するのはもはや不可能で、そのために伝説の深夜番組とも呼ばれています。
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「ある愛のかたち」では山本監督がその場で交渉して、恋人たちがそのありようを自ら表現するという一風変わったスタイルなので非常に大きい注目を集めました。またこの番組では多くの女性タレントが発掘された番組です。今では大物女優やタレントになっている女性も数多く出演していることでも知られています。
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2016年に「トゥナイト2」がCS放送で『甦るトゥナイト2』という番組名で復活しました。前3回の放映予定でしたが、反響があったことから4回まで放映され、当時の貴重なVTRも放送されました。当時の司会者や山本晋也監督も交え、コメントを入れながら当時を懐かしみました。現在では地上波のテレビでこのような過激な企画で情報バラエティ番組を作り放送することはできないので、「伝説」といういい方がされています。当時の日本のサブカルチャーを含め、今まで公開されていなかった文化や風俗を紹介したという意味では非常に反響があった番組です。今ではこのような番組を制作するのは不可能ですが、古きよき時代のアーカイブとして今でも根強いファンがいる番組です。