人気番組、「行列のできる法律相談所」のある回の冒頭において、多くの視聴者が違和感を覚えた部分がありました。「最強の弁護士軍団」として、通常は四つある弁護士用の席が三つに減らされていたのです。
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これはさかのぼること数週間前、不祥事を起こして番組をお休みしていたある弁護士がその席をずっと空席としていたのですが、ついには席自体がなくなって「完全抹消」、なかったことにされてしまったのです。「行列がついに見限った」とも言われるこの現象、話題にもなったため記憶に新しい方も多いでしょう。いったい誰がどんな不祥事をやらかしてしまったのか、順を追って見ていきます。
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まず、不祥事を起こしてしまったのは大渕愛子弁護士。中央大出身で、所属していた弁護士事務所の同僚と結婚するも上手くいかずに離婚、その後に俳優の金山一彦さんとバツイチ同士での再婚をします。その後は二人のお子さんを出産しますが、その第二子の妊娠中に騒動を起こしてしまいます。ちなみに大渕愛子さんはゆるキャラ「ふなっしー」の大ファンとしても知られ、その明るい性格とかわいらしいルックスで行列弁護士軍団の華として好評を得ていました。point 285 | 1
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事件の発端は2010年、大渕愛子さんはとある離婚裁判を手掛けます。着手金と顧問料をそれぞれ受け取った彼女でしたが、生活に困っていた依頼人は法テラスの援助制度を利用します。これは生活に困窮している人への弁護士費用の減免制度であり、大渕愛子さんはその着手金を返金しなければならない決まりとなっています。ところが何度もお金が必要な依頼人から催促されても彼女はそれを無視し、なんと5年間の間返金を拒絶していたのです。最後は所属している弁護士会の副会長から何度か説得され、ようやく返金はしたのですが、この経緯を知って懲戒請求(弁護士に対して行われる、ふさわしくない行動をとったときの懲罰請求)を出された大渕愛子さんは「悪質である」として業務停止1か月のペナルティを受けることになります。point 407 | 1
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ここに来てようやく彼女は記者会見を開き(このとき妊娠中であったため座ったままの会見でした)、「自分は海外で活動していて法テラスの仕組みを知らなかった。返金はしたし処分が重いので異議申し立てをするかも」と弁解、謝罪します。ところがこれに世間は猛反発、「弁護士が法を知らないのか」「異議申し立ては図々しい」と散々なバッシングにあい、会見の際のミニスカートにまで批判が向く始末。エリート弁護士として出演していた「行列」側としても、ボロが出た彼女を使うわけにもいかずしばらくは空席のままで番組を進めていました。point 317 | 1
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そうしているうちに大渕愛子さん側から「テレビ出演等の自粛」の申し入れがあり、完全に降板という運びになったようです。そもそも大渕愛子さんは依頼人とのトラブルが昔からあり、「大渕愛子被害者の会」というものまである「問題弁護士」であったことも明らかになっており、今後はテレビに復帰するのは難しそうです。知名度を生かして業務停止明けから本業の弁護士活動は再開していますが、依頼人に無関係の美容サロンの勧誘をするなどして評判を落としてしまっています。話題性のみで彼女を持ちあげ、「敏腕弁護士」といったイメージをつけてしまった「行列」の番組としての責任を指摘する声も上がっており、今後の弁護士選びにも影響が出そうだと言われています。point 383 | 1
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順調であった本業・タレント活動も一時に停滞してしまった大渕愛子さんですが、現在は子育てに集中ししばらく表舞台に出るつもりはないようです。「不勉強」より悪い「不誠実」のレッテルを貼られた以上、復帰への道は遠いため彼女の姿を見ることは当分なさそうです。