店主の岡田さんは祇園の懐石料理店で3年、他の飲食店でも修行を積んで「驚きと感動と笑顔」をコンセプトに以前、料亭「東寺 こまどり」を京都にオープンさせました。しかし、まさかのオープン当日に悪質な「嘘の予約」という嫌がらせに遭ってしまいます。その被害額は7万円にも上りました。
裏切られた想い
岡田さんが料亭をオープンするに至った経緯は以前、店の近くのBARのオーナーと共同で料理イベントを開催したことがきっかけ。結果、岡田さんの料理に対しお客さんやオーナーからの評価も上々。その後、空き店舗を見つけたオーナーから急遽「店をやってみないか」と提案されたそうです。岡田さんはその提案を快諾し1ヶ月半この料亭のオープンのためだけに全力を注いできました。伊勢からの直送の新鮮な魚を使った料理や酒蔵の日本酒をじっくり味わってもらい、「笑顔でこの店をあとにしてほしい」という熱い想いが岡田さんにはあったのです。
待望のオープンの日の3日前でした。推定50代男性から「何人くらい店に入れるか」との問い合わせが入ったそうです。その後、同じ男から「7,000円のコースで10人の予約をとっておいて。よろしく」と再び電話が入りました。しかし、予約の時間過ぎても男は現れません。おかしいと思った岡田さんが控えていた携帯番号に連絡すると「この番号は現在使われておりません」というアナウンス。ちなみに予約時の電話は非通知だったそうです。
当然、この予約のために料理を準備し、他のお客さんが来ても断る予定だったそうです。岡田さんは「残念で悔しくて悲しくて涙が溢れた。他の方に二度とこのようなつらい想いをしてほしくない。」と話し、今回の件をツイッターに掲載しました。
拡散超希望
今日グランドオープンした当店に10人7000円の予約をしてくださいましたお客様がいましたが
時間をすぎても現れず お伺いした電話番号も偽の電話番号でした。
電話は非通知でした。非通知電話で信じた当店も馬鹿でしたがとても悲しいです。
ウキウキで必死に魚捌いてました
⤵︎⤵︎ pic.twitter.com/5CSDvqdi2ZADVERTISEMENT — 東寺 こまどり (@toji_komadori) June 3, 2019
足を運ぶ人まで
岡田さんのこのツイートにはネット上で起きな反響がありました。「 近くに居たら今から行きたいところですがあいにく東京在住で。東寺は京都へ行ったら必ず参拝するお寺なので、次に訪れた折には是非お店にも寄らせて頂きます」「被害届を警察にだしましょう。非通知でも記録は残ると思います」という岡田さんを励ます言葉も多く寄せられましたが、「食材は処分されました? 割と近くにいるので、まだ余ってるようならお邪魔します。 すでに餃子たらふく食べたので、ビールと軽いものしか入りませんが売り上げに繋がれば」「心中お察しし過ぎていてもたってもいられません。 1名分の料金くらいしかお支払いできないと思いますが、今からお伺いさせて頂いたら、少しでもこまどりさんの真心と食材は無駄にならずにすみますか?」など実際に岡田さんの店に行くというネットユーザーも現れたのです。
このようなネットの声に対し「今回の件で温かい励ましを頂いてほんと嬉しかったです」と話す岡田さん。夢溢れる若者に対しての中年男の嫌がらせ行為は決して許されることではありません。
相次ぐ飲食店ドタキャン
岡田さんの料亭に限らず、多くの飲食店にとって、予約の「ドタキャン」や「ばっくれ行為」は日常茶飯事のようなのです。12月の繁忙期シーズンに60名の貸切予約にばっくれ行為をされた飲食店もあるというから信じられません。
「予約」を受けるということは、飲食店にとっては「契約」なのです。お客様から代金を支払ってもらうことを前提に、お店も仕込みや仕入れ、人件費にコストをかけます。2名の当日コースなし予約などならまだしも、団体や貸切の場合、その売り上げがそのまま従業員たちの生活に関わってくるのです。様々な飲食店が実際に実際に金銭的打撃を受けている状況なのです。やむを得ないパターンがあることはもちろんとして、悪質なドタキャンやバックレに対しては、「法整備が必要」と言っても大袈裟ではないかもしれません。
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